命を懸けられる仲間たちへの想い

撮影/川野結李歌

――この作品は大切なもののために命を懸けて闘う人たちの姿が描かれています。伊藤さんにはそういう何かあったら自分をかけて守りたいと思うものはありますか。

やっぱり今の自分の周りに居てくれる人たちですかね。すごく支えられていますし、辛いことがあった時、相談に乗ってくれたり、何をするわけでもないけど側に居てくれたり、そういう人たちはみんな大事です。その人たちのためなら、それこそ命をかけられます。そのぐらいに思える人しか、今の自分の周りにはいないので、大事にしています。

――そういう関係って年齢を重ねる中で変わってきたりもしてますか。

変わっていると思います。まだ25歳ではありますけど、今まではしなかったような仕事の話もするようになったり。密に会う人たちは限られてもきていますね。別に仲が悪くて離れたとかではないんですけど、自然と残る人たちが決まってくるというか。

今、深い関係で僕の周りにいてくれる人たちとは、この先も一生、付き合っていくんだろうなと思います。年齢を重ねるごとに、ぐちゃぐちゃだった書類が、トントンってされて整っていく感じというか。

撮影/川野結李歌

――仲間との関係の中で、これだけは大切にしてるということは?

僕らの中では「親しき中にも礼儀あり」というのはあります。仲がいいからと言って、そこをないがしろにはしないように。例えば、ドタキャンとか、小さなことですけど積み重なっていくと……。

――信頼が失われますよね。

そうなんです。だから最低限の礼儀は守ろうというのはあります。ふざけるときは思いっきりふざけるけど、ちゃんとするべきことはきちんとやる。そこは大事にしています。自分の周りはわりと古風な奴が多いんです(笑)。

――逆に礼儀を守れるからそこ、残っているのかもしれないですね。

そうなのかも知れないですね。「類は友を呼ぶ」じゃないですけど、良くも悪くも似たような奴らが集まっている気がします。

――最後に一つ、息抜きの質問を。これなら“ドン”を名乗れるくらい、自信があるものは何ですか。できるだけくだらないことでお願いします(笑)。

そしたらすっごくくだらないことで言うと、冷凍うどんを口の中で結ぶスピードです。5、6秒で結べます。これだけはいまだかつて誰にも負けたことがないので頂点に立てると思います(笑)。


インタビューでは大切な仲間の存在についても語ってくださった伊藤さん。とても楽しそうに、そして愛おしそうにお話をされていたのが印象的でした。

映画は伊藤さんもおっしゃっていたように、任侠ものではありますが、ヒーローものを見る気分で楽しめます! ぜひ映画館で“令和の”『静かなるドン』をご堪能ください。

作品紹介

映画『静かなるドン』
2023年5月12日(金)より前編公開
2023年5月19日(金)より後編公開