好きなものはどんどん好きが更新していく

撮影/河井彩美

――演じていて印象に残ったシーンは?

髙松:個人的に好きなシーンなんですけど、蓮が録音機能付きのペンを使って悪事の証拠を突き付けるところです。カッコいいんです(笑)。そのシーンの撮影するのがすごく楽しみだったんですけど、実際撮影したらとてもスカッとしました。気持ち良かったです。

櫻井:僕は楽しかったプラス、大変でもあったシーンなんですけど、逃げる蓮を追いかけるところです。走りながらそれまでの和真と蓮のいろいろな出来事が思い返されて、そういう想いを背負って走るから、感情的にも体力的にも大変でした。

物語の進む順番通りに撮影していくわけではないので、3日前とかに演じたシーンの続きになるんですよね。だから、3日前はどんな顔をしていたかな、どんな感情だったのかなとかを思い返しながら走るのは難しかったんですけど、それだけにそのシーンを撮り終えたときは達成感があって。振り返ると楽しかったなと思います。

©「4月の東京は…」製作委員会・MBS

――本作はBL作品でもあるので、キスシーンやベッドシーンは一つの見せ場になると思います。こだわりや緊張感などはありましたか。

櫻井:そこは監督、カメラマンさん、スタッフの皆さんとどう見せるかを共有しながら撮っていきました。ベッドシーンだと僕が上になることが多いんですけど、そのときの手の位置とか、どういうふうにキスをしたらいい映り方をするのかとか、結構長い時間をかけて話し合いながらやりました。

髙松:絡み合うシーンもどの角度が一番いいのかとか、美しく撮るためにみんなで話し合いました。

撮影/河井彩美

――物語としてお二人が魅力を感じた部分を教えてください。

櫻井:先ほども言いましたけど、和真は真っ直ぐな心を持った人間で、それに対して蓮は過去のこととか、和真に告げられないまま隠して過ごしていることがあるんです。そんな中でも和真が、うまくいかなくても諦めずに最後まで行く強さは、僕自身、魅力的だなと思いましたし、そこが観てくださる方にも届けばいいなと思っています。

髙松:細かい描写がたくさんあるところは、魅力だと思います。あと、和真も蓮もそれぞれに他の登場人物ともやり取りがあって、こんなこともあったんだみたいなことも多いので、そこは先読みできなくて面白いと思います。

撮影/河井彩美

――和真と蓮は初恋の人を10年も想い続けているというピュアな恋愛をしていますが、実際に自分だったらどうなると思いますか。

櫻井:ピュアなところはすごくいいなって思うんですけど、10年ですもんね……。今、僕は20歳なので、10歳からってことだから、そう考えるとどこかで諦めたんじゃないかなって。現実として考えるとそうなっちゃう気がします。

だからこそ、それを貫けた和真と蓮はすごいと思うし、僕は和真を通してそのピュアな気持ちを経験できたので、貴重だったし、とても楽しかったです。

髙松:僕は10年間ずっと好きって、いいと思います。実際に僕もダンスを始めて15年くらいになるんですが、ずっと好きなので。一つのことに真っ直ぐにいけるタイプというか、好きなものはどんどん好きが更新していくから、たとえそれが人であっても、モノであっても、常に好きが増していくんです。だから和真と蓮の関係性もすごくいいなと思いましたし、共感もできました。

©「4月の東京は…」製作委員会・MBS


櫻井さんが髙松さんとの関係を「小学校が一緒だったんじゃないかな?」とも言っていましたが、写真撮影中にも自然と会話をしていて、とびきりの笑顔のお写真はそんな二人の一瞬を捉えたもの。インタビュー中ももちろん、仲の良さが随所から感じられました。

お二人が演じた和真と蓮――初恋の二人がどんな関係となっていくのか楽しみです。

ヘアメイク/国府田雅子[B.sun](櫻井佑樹)、ヘアメイクGLEAM(髙松アロハ) スタイリング/八尾(櫻井佑樹)、TAKURO(髙松アロハ)

作品紹介

ドラマ『4月の東京は…』(全8話)
2023年6月15日より 毎週木曜 深夜1:29よりMBS、他にて放送
「TVer」「MBS動画イズム」で見逃し配信1週間あり