内田英治監督とは初対面から話が弾んだ

竹内涼真 撮影/福岡諒祠(GEKKO)

――内田監督がお好きだそうですが、内田組のどんなところが魅力ですか。

内田監督とは最初にお会いした時から話が弾んだので、内田監督の人柄も好きなのだと感じました。ふたりでいると演技の話をよくしますし、ほかの相談もしますし、海外作品の作り方の話を聞くのも好きです。

あとは内田監督の声のトーンが落ち着くので、その声で演出していただけると自分の体に役がすんなり入ってくるからリンクさせやすいんです。

――今回、監督からアドバイスはありましたか。

力を抜いて楽器のように、いつでもいろんな音を鳴らせるようにできるといいよね、というアドバイスをいただきました。日本人は感情を外にアウトプットすることや、とくに一瞬で吐き出すようなことはないですよね。でも、演技の世界では爆発力みたいなものが必要だと。

人が怒っている時、驚いている時、悲しんでいる感情は、爆発力があるから魅力的でもある。そういうものをもうちょっと出してほしい、と言われた時に、いつでもそこに持っていけるような状態を自分でも意識しておくと、すごく演技の幅が広がると仰っていました。

『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』より

作品作りは、自分の演技が編集されて組み立てられていくことでもあります。このシーンにはこうすれば面白いだろうという時に、気持ちがつながらなくてできないと、表現の可能性をつぶしてしまう。だから、どうにか自分で解釈してパンッと音を鳴らしたほうが、その作品の魅力にはなるのかなと思いました。

それで自分で枠を決めて現場に入ってはいけないなと、あらためて感じたんです。自分の意見は絶対に持っていなきゃいけないのですが、ただ、本番が始まってカメラがまわるまでは、いろいろなヒントがあふれているはずなんです。それをキャッチできないと、もったいない、ということでもあると思います。