ソン・シギョン 撮影:川野結李歌

――シギョンさんが作曲し、松井さんが作詩された『ただ...』はとてもエレガントなバラードです。

「書いたのは1年前くらい。感情的に聴こえる、きれいなメロディだけど、頭できちんと考えた曲で、デモの段階できちんと完成していました。ただ、タイトル曲にはなれない。人気を享受しなくても、ファンが喜んでくれればいい……自分のアルバムだからできる、贅沢な曲です」

――”一緒にいても寂しい”というシーンが切ないですね。

「松井さんが書いた詩の世界の主人公になりきって歌いました。この年になると、いろんな経験をしているから、いろんな歌詞が歌えるようになるでしょ。満たせない自分の寂しさとか、隣にその人がいて愛を確かめても『これからどうなるんだろう』という不安とか。21歳で歌えば、嘘になるけど、今の年では、いろんな歌詞が歌えるようになりますね」

――ズバリ今、「ただ...○○」と思うことは何でしょう?

「ただ...休みたいですね(笑)」

――ナオルさんとのコラボ曲『束の間でも僕たち』はリリースから2日間で100万ビューを達成しました。

「ユーチューブの人気急上昇音楽の1、2位にもなって、うれしいですね。韓国の代表的なチャート、メロンチャートでも1位になりましたが、すぐアイドルに追い抜かれちゃう。アイドルのファンは一斉にストリームするから勝てっこないし、そうしたチャートで勝っても意味がない。一方、ユーチューブの数字はもっと世間一般の反応だからうれしいんです。作詞は韓国の伝説的な作詩家、パク・ジュヨンさんにお願いしました。いただいた詞も手書きで、久しぶりの経験でしたね。『詞が今の若い人には合わないんじゃない?』って心配されてましたが、結果、成功しました。『シギョン君、私の子たちが大きくなってから、初めて発表する歌で、子どもたちはやっとお母さんの仕事を理解してくれて、すごく気持ちがいい。ソウルに行ったら、おいしいワインをご馳走するね』と連絡をいただいて。ストリングスもアメリカ在住の韓国トップクラスの弦楽器奏者にお願いして。アメリカでのレコーディングなので、費用もかかりましたが、そこは惜しみませんでした」

――本来、日本のアルバム用の曲でしたが、PSYさんから「韓国でシングルとして出すべき」とのアドバイスがあったとか?

「『お前とナオルのデュエットなら韓国でバズると思う』って。僕もそう思ったし、この曲でヒット曲を出すのもいいんじゃないかなって。『こんなに君を』にはいい曲がいっぱいあったし。もしかしたら、PSYさんは『もし、ナオルとの曲が日本語バージョンになれば、そっちがタイトル曲になる』と考え、自分の曲をタイトル曲にしたいから、『ナオルとの曲を韓国向けのシングルにすれば』と言ったのかも。実は僕はこの曲がすごく好きで、日本語の詞も合うから、そうしたらタイトル曲候補になる。『こんなに君を』をタイトル曲にしなかったら、PSYさんが怒るだろうなって、マジで悩んだから。だから、ナオルの曲を韓国でリリースし、PSYさんの曲を日本のタイトル曲にして、ウィンウィンになりました」

――ナオルさんと一緒にステージに立つ機会は少ないと思われます。

「本当は一緒に舞台で歌いたいけど、彼はステージに立って人に見られるのが嫌いなので、多分、できないでしょうね」

――今回はLPも発売されます。シギョンさんが今、レコードで聴く音楽はありますか? 

「レコード・プレイヤーもありますが最近は使っていませんね。昔はレコードがたくさんあったけど、今は自分の8枚目の『ㅅ(シオッ)』だけ。5000枚プレスしたので、自分の誕生日、0417番のLPを持っています」

 

ソン・シギョンさん渾身の1枚『こんなに君を』は発売中。雑誌『韓流ぴあ』(2024年1月号、11/22発売)では、不定期連載「一見さんお断り! ソン・シギョンの日々是好日」第51回掲載。合わせてチェックを!

ソン・シギョン 撮影:川野結李歌

 

CD情報

ソン・シギョン『こんなに君を』

『こんなに君を』<初回限定盤>

<初回限定盤> KICS-94130/¥8,800(税抜¥8,000)
特別仕様:スリーブつきトールケース入り ポストカードセット(5枚)封入
【CD】
M1.こんなに君を(作詩:松井五郎/作曲:PSY,  Yoo Gun Hyung)
M2.沈黙の音色(作詩:Soflan Daichi/作曲:Ziyoon)
M3.ふれる(作詩:Soflan Daichi/作曲:Cho dong ik)
M4.Kaleidoscope(作詩:Soflan Daichi/作曲:松尾昌樹)
M5.ただ...(作詩:松井五郎/作曲:Sung Si Kyung)
M6.束の間でも僕たち Feat.Naul(作詩:Park Joo Yeon/作曲:Naul)

【Blu-ray】撮りおろしスペシャルライヴ&トーク映像収録
(1)君は僕の春[너는 나의 봄이다](ノヌン ナエ ボミダ)韓国ドラマ『シークレット・ガーデン』OSTより
(2)オリジナルメドレー
(3)こんなに君を

 

『こんなに君を』<初回限定盤>

<通常盤> KICS-4130/¥3,080(税抜¥2,800)
【CD】初回限定盤と同内容

 

『こんなに君を』<完全限定生産LP>

<完全限定生産LP> KIJS-90040/¥4,400(税¥4,000)
2023年12月20日(水)リリース
【LP】初回限定盤CDと同内容

 

ソン・シギョン
2000年に韓国で歌手デビューし、2017年末に『DRAMA』で日本本格デビュー。MC、DJ、タレントと幅広く活動するマルチ・エンターテイナー。グルメほかのコンテンツからなるユーチューブ番組は登録者数166万人(2023年11月22日現在)を数え、今年は歌手として大型公演を3度に渡って開催。『こんなに君を』で、日本での新たな歩みを始める。

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