家族だけは絶対に信用できる存在

撮影/映美

――偶然ではあると思うんですけど、今年は『ファミリア』もありましたし、「家族」がテーマの作品が続いていますね。

確かにそうですね。

――どちらも「家族」に関する考えを深める作品かと思うのですが、年を重ねるにつれて、家族に対する考え方で変わった点はありますか。

やっぱり若い頃は、家族はいないと生きていけない存在でしたよね。でも、この年になってくると、ちょくちょく連絡は取っているのですけど、なかなか会えてもいないですし。

けどやっぱり、一番安心する空間ではあると思います。今この仕事をさせてもらっていて、周りにいる人間が本当に全員信用できるのかというと、難しかったりしますけど、家族だけは絶対信頼できる、といういう根拠はありますね。そういう意味では一番の味方です。

――作品の問いかけのひとつでもあるかとは思うんですが、吉沢さんは、現在の家族の形についてどういうふうな印象を受けますか。法律に乗っ取ったものもあれば、そうでないものもありますし。

難しいですよね。何を家族と呼ぶかも人それぞれですし。血が繋がっていようがなかろうが、どういう環境かだとか、どういうタイミングで出会ったかでいろいろあると思うんです。そういう意味では、多様化されいているんじゃないかと思います。

撮影/映美

――ちなみに、吉沢さんは理想の家族像はありますか?

やっぱり年を取って死ぬときに笑顔で死にたいな、と最近思います。笑顔で死ぬためにはどうすればいいんだろうと考えていたんですけど、渋沢栄一さんを演じたときに、死ぬときはいろんな人に囲まれていて、この空間はいいな、ということは思いました。

――11月3日に映画が公開、さらに24日からAmazon Prime Videoでも配信がスタートします。最後にこの作品の楽しみ方を教えてください。

それぞれ4つのストーリーが重なって一つの作品になっていて、役者さんの芝居だったり映像美だったり、すごく素敵な作品です。なかなか抽象的な作品ではありますが、何か説明するというわけでもなく、人間の感情に直接刺さるような表現、シーンが多いのかな、思うので「これはなんなんだろう?」とか考えながら見ても面白いけど、なにも考えずに、本当に直感で見てもらう作品なのかもしれないな、という気もしています。難しい作品ではあるとは思うんですけど、何も気負わずに見ていただければ、嬉しいです。

映画『かぞく』 ©土田世紀/日本文芸社,ANIPLEX, Inc.

作品情報

映画『かぞく』
全国の映画館で公開中
11月24日(金)よりAmazon Prime Videoにて配信スタート

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吉沢亮サイン入りポラ

大阪府出身。大学卒業後、フリーランスのライターとして執筆活動を開始。ゲームシナリオのほか、インタビュー、エッセイ、コラム記事などを執筆。たれ耳のうさぎと暮らしている。ライブと本があったら生きていける。