自分で触って完成させる作品!?

次は私が「こんな遊び方してみたかった!」と大人ながらはしゃいでしまった作品『世界はこんなにもやさしくうつくしい』。

世界はこんなにもやさしくうつくしい

順路がないため、通路らしき道を見つけて次へ進んでみると、天井が高く奥行きもある広い空間に辿り着きました。

まず目に入るのは、大きな滝のような演出。滝から流れる水は遠くにいる私の足元にまで伸びてきます。

そして壁一面には、漢字が花びらのようにゆっくりと舞い降りています。舞う漢字に触れてみと、それぞれの文字が持つ世界が現れてびっくり!

しかも、その世界たちは互いに影響し合い、また1つの新しい世界を作りはじめるんです。

アートを見る時は触ってはいけないことが多いのに、この作品は私たちが触れることで完成していく....。これはワクワクせずにはいられません。

子供も大人も関係なく、ゆっくりと舞い降りてくる文字をじっと待ちながら、それぞれの世界を創り上げていく様子が印象的でした。

圧倒的に美しい空間の中で夢中になってはしゃいだり、ぼーっと眺めたりしていたら、いつの間にか考えることを停止していました。

アートに包まれて忙しい思考から解放される。それがデトックスのような感じで本当に心地よかったです。

吸い込まれるように手が伸びる

最も驚いたのは『中心も境界もない存在』。

中心も境界もない存在

次なる展示を求めて通路を歩いていると、ふと行き止まりに到達。しかし、行き止まりに見えるその壁は『中心も境界もない存在』という作品でした。

遠くから見ていると、ただ何か丸い物がゆっくりと動いているようにしか見えないのですが、近づいてみるとなんだか目がチカチカしてきます。

そして、アートを目の前にして触れようと手を伸ばすと、そこには何もない。私が見ていたものは映像なのか錯覚なのか、とても不思議で驚かされました。

他の作品のような華やかさはありませんが、吸い込まれるように目を奪われ、つい手を伸ばしてしまう不思議な魅力が漂っています。

アプリで作品の確認をしなければ見逃してしまうかもしれませんが、実際に見て触って境界の無さを感じてみてほしいです。