今、野原ひろしがアツい!
……と、名前だけ聞いてもピンと来ないかもしれませんが、こう言えばすぐにわかるはず。野原ひろしとは、国民的コンテンツ『クレヨンしんちゃん』の主人公・しんのすけの父ちゃんのことです。
ごくごく平凡なサラリーマンであり、家ではグータラな父ちゃんのひろしですが、テレビアニメ放送開始後20年が経った最近になって評価が急上昇しています。
35歳で係長、専業主婦の妻と子ども2人を養いつつ、庭つき一軒家まで持っているスペックと、なによりも家族と子どもを愛する姿勢が、元しんちゃんファンの若者たちの間で見直され、“理想の父親”として尊敬のまなざしを一身に集める存在になったのです。
忘れちゃいけないのが、子どもだけでなく大人も楽しめると評判の劇場版『クレヨンしんちゃん』でのひろしの活躍です。愛する子どもたちを守るため、家族と一致団結して悪に立ち向かうひろしの姿に喝采を送るファンも数知れません。
4月19日に公開される『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』は、22作目にして初めてひろしがフィーチャーされた物語。
本作の脚本を担当した中島かずきさんは、『天元突破グレンラガン』『キルラキル』など数々の脚本を手がける一方、かつては双葉社の社員として『クレヨンしんちゃん』のプロデューサーを務めていたという人物です。そんな中島さんに、作品のこととひろしの魅力について伺いました。
――今回はどうして題材にひろしを選ばれたのでしょう?
中島 実は最初の企画会議で、高橋渉監督が「ひろしがロボになったら」というアイデアが出て、「それだ!」と決まったんです(笑)。そのシチュエーションが出た瞬間、その場にいた全員がこういうストーリーを思い描いたんじゃないかな。
ひろしがロボになって家族のもとに帰ってくるということで、自動的に今回のテーマは「父親」になっていきました。ならば、敵役は頑固親父が世界を席巻することを狙っているよう組織がいいんじゃないかと。