「Z世代を中心とした若手の部下に怖いといわれたが、思い当たるところがなくて困惑している」
「現代においてハラスメントに当てはまる言動をしてしまいそうで、Z世代にどう接していいのかわからない」
マナーや働き方が急速にアップデートされていく現代、後輩教育や部下への指導にも何かと気をつかいますよね。
このコラムでは「マルハラ」を例に、Z世代を中心とした若者の傾向を踏まえ、コミュニケーションにおけるコツをご紹介します。
Z世代が感じる「マルハラ」
文末に「。」をつけただけで「冷たい感じがする」「なんとなく怖い」という印象を与えてしまう事象を意味する「マルハラ」。
厳密にそれがハラスメント(人を困らせること・いやがらせ)に分類させるかは時と場合によります。
しかし、Z世代のコミュニケーションスタイルでは、カジュアルで即時性があることを重要視しているので、語尾に句点「。」がつく文章が見放すような印象を与えてしまうことが多いことは理解しておくと良いでしょう。
例えば「ありがとう。」と「ありがとう!」を比較して考えてみましょう。
前者は形式的で感情のこもっていない印象を与えるのに対し、後者は感謝の気持ちが強く感じられませんか?このような感じ方の違いが、「マルハラ」という概念が生まれる背景となっているようです。
「マル」では相手のテンションがわからない
一般的に、Z世代は生まれた時からメッセージアプリが日常的に使われている環境で育ち、リアルタイムでの会話形式コミュニケーションに慣れ親しんでいます。
メッセージのなかで自分のテンションや感情を表現しているZ世代にとって、送られてきたメッセージから相手の感情を推測しようとすることは、あたりまえのことなのです。
実際にZ世代の話を聞いてみると、普段の文章で「。」をつけることはあまりなく、相手に対して怒りの感情がある場合などに、あえて「。」をつける場合も多いようです。
文章の終わりに「。」を使うことで、「怒っている」「機嫌が悪いのでは?」と想像を膨らませてしまうZ世代もいるという事実を知っておきましょう。
「マルハラ」をしないためのメッセージルール
Z世代とのコミュニケーションにおいて「マルハラ」を避けるための、メッセージルールを覚えておきましょう。
・文末に「。」はつけない
・「!」や「〜」、顔文字などを使用する
・長文にならないよう気をつける
メッセージの文末に「。」をつけないことで、フランクで親しみやすい印象を与えます。
たとえば、「了解しました。」ではなく「了解しました」とすることで、多少カジュアルな印象になり、相手に対して距離感を感じさせず、より自然なコミュニケーションが可能になります。
また、テンションや感情を伝えるために、「!」や「〜」、顔文字などを積極的に使用してみるのもいいでしょう。例えば「すごいね!」や「ありがとう〜」といった表現方法は、相手にポジティブな感情を伝えます。
さらに、メッセージは簡潔にし、長文を避けることも大切。業務連絡で長くなってしまうことは仕方ありませんが、Z世代はメッセージを会話のようにやり取りするため、短いメッセージの方が、読みやすく、返信しやすい傾向にあります。
これらのルールを意識することで、Z世代とのコミュニケーションがスムーズになり、お互いの誤解や不快感を避けられるでしょう。