船上酒場、再び
釜山港大橋をくぐり、往路でも見た五六島に別れを告げる。
一番風呂に入ってから、相棒Bと酒盛りを始める。
「ボクはイビキがひどいので、夜うるさかったらごめんなさい」
相棒Bから妙なカミングアウトをされたが、目の前の酒に心を奪われているので耳に入らない。
連日の深酒で疲れた肝臓を労わろうと、昨夜は酒を抜いた。今夜は飲めそうだ。
オムクのオードブルは練り物6種に炒めキムチが添えられている。大学芋風に煮たもの。
鶏胸肉を唐辛子に詰めてオムクで巻いたもの。たこ焼き風。
チーズやカニかまぼこ、ワサビを入れて素揚げしたもの。海苔巻き風。天むす風など。オムク尽くしで飽きないように工夫が凝らされている。
しかし、練り物は練り物だ。関東人は小田原の高級かまぼこでもない限り、練り物をありがたがったりしない。
3日間、韓国料理を食べていたので、練り物は間延びしているように感じる。白ワインのほうが合ったかな? などと贅沢を言う。
ホテルの近所の食堂で豚肉の甘辛炒めでもテイクアウトしたほうがよかったかも。
でも、北海道在住で魚にうるさそうな相棒Bが満足したようなので、よしとしよう。
相棒Bとじっくり飲むのは久しぶりだ。筆者はビールとマッコリでほぼできあがったが、Bはソジュも1本空ける。
4時間以上飲み続け、女子会のようにおしゃべりを楽しんだ。何を話したのかほとんど覚えていないが、翌朝は楽しい余韻が残っていた。
夜9時過ぎ、ビュッフェレストランでイベントがあるのでお越しくださいという船内放送があった。
乗客が参加できるカラオケ大会やクルーによる演奏だろう。
この日のイベントは、日本語も韓国語も堪能で快活な女性MCとのジャンケン大会だった。
団体旅行のグループがいるせいか、なかなかの盛り上がりだ。
そのあと演奏があったが、私は酔いもあって舟をこぎ出したらしい。相棒Bが部屋に戻ろうと言ってくれた。
飲み足りないBの気配を感じながら、10時には眠ってしまった。