素直に「そうなんだよね。しんどい」って言えない

撮影/川野結李歌

――九賀の「他人にも社会にも自分にも厳しすぎる」ところが、ご自身と少し似ているかもとコメントされていましたが、具体的にはどんなことですか。

朝起きられないとか、自分に甘いところもあるんですけど、わりと細かいところですかね。例えば、嫌なことを言われて、それを顔に出してしまったな、とかって反省したり。それは普通ですね(苦笑)。

――反省しない人もいると思いますよ。

そうですかね。具体的に何かと言われると難しいですけど、すべてのことに対して「まあ、いっか」って思ってしまうと、家に帰ってからすごく後悔します。今、自分にできることを全力でできなかったりすると反省します。

――「M!LKのメンバーにも自分に厳しいと言われる」とも。

月に1回くらいのペースで、メンバー同士で反省会のようなことをしていて。人間だから自分に甘くなってしまうことは仕方ないけど、ガツンと言ってモチベーションを保つ日がないと、怠けるほうに慣れてしまうと思うんです。

だから気になったこととかは伝えます。それは厳しいところもあるかも知れないんですけど、自分自身にも言っているんです。「やらなきゃだめだよね」って感じで。

撮影/川野結李歌

――本作は“嘘”がテーマの作品ですが、佐野さんにとっての“嘘”とは?

難しいところですね。嘘ってついついてしまうこともあるし。例えば、弟に対して、自信を持ってほしくて嘘をついてしまうとか。あとは、「疲れた?」って聞かれると、疲れていても「大丈夫」って言いがち(苦笑)。

「大丈夫じゃない」と言うのが、恥ずかしいんです。負けを認めるような感覚があるんです。そもそも人に心配されるような状況を見せてしまっている自分が恥ずかしいし。素直に「そうなんだよね。しんどい」って言えないです。

――人の嘘については暴こうとしますか。例えば、劇中のようにそれぞれについての暴露が書かれた封筒が用意されていたら?

嘘を暴くかは時と場合によりますけど、今回のように、最初に誰かの封筒が開けられたとしたら、みんな平等に開けようとはすると思います。それによって誰かが傷付くことになったとしても、既に誰かが傷付いているわけだから、不平等になってしまうので。途中でやめるのはなんか違う気がします。

――それによって自分に不利なことが暴露されるとしても?

それは仕方ないですよね。みんなで開けるって決めたわけですから、僕だけ「嫌だ」とかって反対するのは違うかと。一度賛成したら、開けなきゃいけないと思います。