日本と海外の製作現場の違いとは?

――チャンソンさんが日本の映画に出演されたように、最近は日本と海外のコラボ作品が増えていますよね。海外で仕事をするのは、やはり大変ですか?

チャンソン 最初は苦労もあったけれど、今は慣れてしまったからか違いはあまり感じません。僕が初めて日本のドラマに出演したのは、『怪盗ロワイヤル』(2011年・TBS系)でしたが、その時は「なんて余裕がある現場なんだ!」と感動したのを覚えています。今は韓国ドラマも事前収録が増えましたが、昔はギリギリのスケジュールで収録していたから、最終回が近づくにつれて撮って出しになっていった。現場で台本が上がるのを待って、台本が来たらすぐに覚えてそのまま演技して、すぐ編集してその日に放送されていたんです(笑)。そういう違いには驚きました。

――穂志さんは、エミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞したアメリカ制作のドラマ『SHOGUN 将軍』に出演し、海外で助演女優賞にノミネートされました。海外で仕事をする上で心がけているのはどんなことでしょう。

穂志 “自分は何者でもない”ということを知っておいた方がいいと思いました。日本でどんなに評価されていても海外では通用しないし、一俳優として目の前の芝居が良いか良くないかだけで判断されるから。でも個人的には、平等でいいなと思いました。

――海外でお仕事されて1番印象に残っているのはどんなことですか。

穂志意外とのんびりしている(笑)。予算が潤沢にあって、スケジュールも多めに抑えられているというのもあるんだろうけれど、現場で誰かが急いでいるとか焦っているとか走っているってほぼないんですよ。みんなが穏やかに自分の仕事に集中している。本番前にちょっと俳優が悩んでいる顔をしていたら、監督の方から飛んできてくれて、「Are You Happy?」と聞かれて、ハッピーじゃなかったら「君が納得できるまで話し合おう」とおっしゃってくれるんです。自分のせいで仕事を止めることになるから俳優は罪悪感を覚える場面なのですが、そういう感情を抱かずにすむ健全な現場でした。

チャンソン うわっ、僕が感じたのとは逆ですね(笑)。

――物語前半は、良城、月菜、ジェホン、千春、4人の想いが全員一方通行で交わらない人間関係が描かれています。皆さんが人間関係をうまく構築していく上で大事にしていることを教えてください。

穂志 それ、私が聞きたいくらい。難しいですよね。私も立ち回りがあまりうまくないのですが、最近意識してるのは、ポジティブな言葉で伝えるということです。「あなたのこういうところがすてき」だとか、「感謝している」とか。そういうことを恥ずかしくても伝えてみるということをやっています。もしかしたら、ただうるさい人かもしれないけれど(笑)。

久保 私は人と関わることがすごく好きなのですが、愛情を持って接することを心がけています。口下手で伝えられなくても、気持ちで伝えられるように。絶対、それは返ってくると思っているので。

チャンソン 人間関係って、一番難しいものですよね。僕が最近思っているのは、相手の笑顔を見たいなら、自分から笑顔にしようということ。自分の会話とか態度が全部相手に影響するから、僕から示していくことを実践しています。

映画『誰よりもつよく抱きしめて

2025年2月7日 TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

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