禁止や否定的な表現
子どもがしていることをやめてほしい時、つい「ダメ!!」と口走っていませんか?
考える前に言ってしまいがちな言葉ですが、「否定的な言葉で問題が改善することはまずなく、かえって子どもの否定的な行動を増やすことにつながります」と友田さんは書いています。
たしかに!
泣き叫ぶ子どもに「泣かないの!」といくら叫んでも、逆効果でしょう。子どもはますますヒートアップして手がつけられなくなります。親の方もイヤな気持ちになりますよね。
まず、一日のうちに何度もダメと聞かされる子どもの身になってみましょう。そして、もっといい方法がないか、考えてみましょう。
負のスパイラルを断ち切ろう
心理的・精神的マルトリートメントで取り上げられるような親の言動は、少し前まで、どこの家庭でも見られたことも多く含まれます。
となると、親の世代が、そのまた親の世代にマルトリートメントをされていたという可能性も否めません。
たとえば、昔、親に言われたひと言に縛られて、大人になっても親との関係に悩む人もいますよね。根が深い問題になってきますが、自分が親となった今、負のスパイラルは断ち切ることです。
著者の友田さんは、どんな親でも、まったくマルトリートメントの経験がない親などいない、と書いています。
まずは、マルトリートメントという言葉を知り、自分の言動がそれに該当しないか、見つめ直してみましょう。子育てという慣れないトライアルの中で、子どもとの関係もまた、学んで、築いていくものなのでしょう。
子どもにとって、親に否定されることは、そのまま世界に否定されることと同じ。世界に否定されることは、生きづらさとつながります。
子どもには、そのままで生きていて大丈夫だよ、という安心感をたっぷりと与えてあげましょう。
親が子どもを信じてあげることが、マルトリートメントにつながる言葉を発しなくなるための、最善のことなのではないかと思います。