いつかはカンヌも行ってみたい
撮影/AOI(Sketch)
――すごくざっくりとした言い方になりますが、『ライオンの隠れ家』のようなマスに向かっている民放のテレビドラマと、今回のようなニッチなタイプの映画と、坂東さんはバランスよく両方の作品に出演されている印象があります。それは意識的な部分もあるのでしょうか。
全部マネージャーさんのおかげです(笑)。ただ僕自身、どっちにもこだわり過ぎずにいたいという気持ちはあります。僕はもともと映画が大好きですけど、だからと言って映画だけやりたいわけでもなくて、ドラマも大好きです。僕がドラマに出たことで、映画を観に来てくれる人が増えたら、それもすごく嬉しいなと思います。
――でも両方できるというのは簡単なことではないと感じます。
僕はドラマでのお芝居も、映画館で観ても恥ずかしくないものにしたいと思っているし、映画でのお芝居も、テレビで観ても伝わる芝居を混ぜていきたいと思っているので、その間に差を感じることはあまりないです。
映画だから、ドラマだからというより、この脚本で、この監督だったら、こういうアプローチがいいかな?と考えます。脚本によって必要とされるものが違うから、そっちのほうが大事だなと思います。
監督や主演の方とかの匂いを感じられるかとか、規模感ではない部分でもっと大事なことがたくさんあるんじゃないかと。僕もまだまだ気付けないところや、知らないところもいっぱいあると思うんですけどね。
どういう仕事がしたいのか、どういう俳優になっていきたいのか、というのは人それぞれでいいと思うんです。僕は今回のような作品にも出られる俳優になりたいし、いつかはカンヌも行ってみたい。映画の面白さや奥行を知って、そこから役者を目指したので、結果的に振り返ると、そういうところに繋がっているのかなとは思います。
でも今後はわからないです(笑)。舞台での演技も楽しいし。今はいろんな経験をさせていただけることが、幸せだなと感じています。
撮影/AOI(Sketch)
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写真撮影の際、カメラマンさんが用意した参考写真の中に、以前、坂東さんが出演された媒体のカットがあり、「覚えてる! 懐かしい~」と、当時の思い出などを楽しそうに話してくださった坂東さん。ですが、シャッターを切られる瞬間には切り替えて、素敵な表情をたくさん見せてくださいました。
本作の中でも優しい印象から、観ていてゾクッとさせられる姿まで、出演シーンはそんなに長くないながらも、スクリーンの中に強く残る演技を見せてくださっています。ぜひ、作品全体がまとう雰囲気も感じながら、劇場で鑑賞してみてください。
作品紹介
映画『ルノワール』
2025年6月20日(金)より全国公開






































