帯状疱疹、繰り返さないために!予防と発症時の心得
帯状疱疹は、一度かかると二度とかからないわけではありません。免疫力が低下すれば、再びウイルスが活性化する可能性があります。そのため、日頃からの予防と、万が一発症してしまった場合の適切な対応が非常に重要です。
1.【予防編】免疫力を高く保つ生活習慣が最大の防御策
帯状疱疹の再活性化を防ぐためには、免疫力を高く維持することが大切です。以下の生活習慣を心がけましょう。
バランスの取れた食事で免疫細胞を元気に
・タンパク質
免疫細胞や抗体の主要な材料となります。肉、魚、卵、大豆製品などをバランス良く摂取しましょう。
・ビタミン類
ビタミンA:皮膚や粘膜の健康を保ち、ウイルスの侵入を防ぎます(レバー、うなぎ、緑黄色野菜など)。
ビタミンC:抗酸化作用が高く、免疫細胞の働きをサポートします(果物、野菜、いも類など)。
ビタミンE:強力な抗酸化作用で細胞を守ります(ナッツ類、植物油、アボカドなど)。
ビタミンD:免疫機能を調整する働きがあります(きのこ類、魚介類、卵黄など。日光浴も重要)。
ビタミンB群:エネルギー代謝を助け、免疫システムの維持に関わります(肉類、魚介類、穀類、豆類など)。
・ミネラル類
亜鉛:免疫細胞の活性化に不可欠です(牡蠣、レバー、牛肉、ナッツ類など)。
セレン:抗酸化作用があり、免疫機能を高めます(魚介類、肉類、卵など)。
腸内環境を整える
腸には体内の免疫細胞の約7割が集まっているといわれています。発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌など)や食物繊維(野菜、果物、きのこ類、海藻類など)を積極的に摂り、腸内環境を整えましょう。
適度な運動で血行促進&自律神経ケア
ウォーキングや軽いジョギング、水泳、サイクリング、ストレッチ、ヨガなど、自分が続けやすい運動を無理のない範囲で行う習慣は、血行を促進し、体温を上げ、自律神経のバランスを整え、免疫力を高める効果が期待できます。ただし、過度な運動は逆に免疫力を低下させることもあるため、やりすぎには注意が必要です。
ストレスマネジメントで免疫力の低下を防ぐ
慢性的なストレスは、自律神経のバランスを崩し、免疫細胞の働きを抑制するなど、免疫力を低下させる最大の敵のひとつです。趣味の時間を持つ、好きな音楽を聴く、ゆっくりと入浴する、瞑想や深呼吸をする、自然のなかで過ごす、友人や家族と話すなど、自分に合ったリラックス法を見つけ、上手にストレスを発散するように心がけましょう。
2.【発症時編】早期発見・早期治療が後遺症を防ぐ鍵!
万が一、帯状疱疹を発症してしまった場合は、以下の点を心がけましょう。
「おかしいな」と思ったら、ためらわずにすぐに皮膚科へ
からだの左右どちらか一方にピリピリとした原因不明の痛みを感じたり、赤いブツブツが出始めたりしたら、「ただの虫刺されかな?」「疲れているだけかな?」などと自己判断せずに、できるだけ早く皮膚科を受診することが最も重要です。
安静と栄養で回復をサポート
治療中は、無理をせず、十分な睡眠と休息をとり、栄養バランスの取れた食事を心がけることが、からだの回復を早めるために大切です。
帯状疱疹には漢方薬でサポートも
帯状疱疹の治療では、西洋医学の抗ウイルス薬が第一選択となります。ただそれでも痛みが長引いたり、体力の回復が思うようにいかなかったり、「また繰り返すのではないか」という不安が強まったりすることも少なくありません。その場合には、からだの内側から免疫力をサポートし、体質改善を目指す漢方薬の力を借りるのも有効な選択肢のひとつです。
おすすめの漢方薬
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きを高めて、気力を充実させることで免疫力に働きかけます。
抑肝散(よくかんさん)
心を落ち着かせることで、イライラや不安といった精神症状に働きかけます。
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帯状疱疹は、とくに免疫力が低下しやすい夏場は注意が必要です。しかし、その発症メカニズムや予防策、そして早期治療の重要性を正しく理解していれば、過度に恐れる必要はありません。
日頃からバランスの取れた食事、質の高い睡眠、適度な運動、ストレスマネジメントを心がけ、免疫力を高く保つことが最大の予防策です。万が一、「おかしいな」と感じる初期症状があらわれたら、速やかに皮膚科を受診し、適切な治療を開始することが、重症化や後遺症を防ぐ最も大切なポイントです。
さらに、からだの内側からバランスを整え、免疫力をサポートする漢方の知恵も、あなたの健康維持や帯状疱疹の再発予防に役立つかもしれません。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
























