公式キャラクター「たびえもん」は、旅に出てさまざまなことを吸収しスクスク成長していく子どもを、竹の子の勢いよく生長していくイメージと重ね合わせたのだとか。たくさんの子どもたちがいつもと違う世界に触れて、自分なりの感性を研ぎ澄ませていってくれたら……という願いがこめられています 株式会社たびえもん

家族でトラブルを回避するには?そして「旅育」最大のメリットとは?

雅代:木舟家の海外旅行最大のピンチは・・・香港でした。

空港に降り立ったら、とっぷり夕暮れていたんですね。それで香港の空港から市街地まで出るのって、地下鉄とかバスとかいろいろ手段があるんですけど、値段が高いからという理由でローカルのバスに乗ったら、思っていたのと全然違うところに連れてゆかれて降ろされちゃって・・・

「香港ってネオンがギラギラしているイメージなんですけど、でもアレレ?ここ暗いんですけど?誰も、いないんですけど?」

みたいな感じで、ポツーンッと、・・・あの時ほど「ヤバい!」と思ったことはないですね。一人旅ならそれなりに笑える状況ですけど、家族全員で暗闇に立ち尽くしていて「いま全然笑えなーい」って思って。

周作:結果として方向は間違ってなくて、ちょっと歩いたら地下鉄の駅などもあって大丈夫だったんですけど。

雅代:あとになって考えてみたら、香港空港から市内まで直通の特急に、お金のことはグチャグチャ言わないで素直に乗っちゃえばよかったんです。トラブルの多くはそういう、なんかワケ分かんないことをしようとすると起こるんです。

子連れの時は「余裕」をお金で買おうって、それ以来思うようになりました。コレ、すごく大事だと思います。

――それは海外旅行に限らず、日本で通常の子育てをしていても言えることかもしれません。「節約しなくちゃ!」「無駄なくこなさなくちゃ!」のために頑張りすぎない、というか。

周作:日本は子育てにしても何にしても、社会全体で「予定調和」を求めるところがありますよね、電車もすごく正確だし。だからその中で、きちんきちんと過ごしてゆくようなところがありますけど。

トラブルがあると、家族旅行中ならなおさら、みんなで「どうしよう」と知恵を絞ります。チームプレーになるんです。

雅代:良くも悪くも「予定調和」のない場所で、家族の結束が高まります。

「旅育」にはたくさんのオススメしたい理由がありますけれども、もしかしたら家族の結束や、みんなで過ごしたかけがえのない時間が、一番のお土産なのかもしれません。

周作:そして「旅育」が拡がってゆくなかで、たくましい子どもたちが育っていって・・・日本がもっともっと元気になったらいいな、と願っています。

まとめ

「旅育」について今回、株式会社たびえもんの木舟ご夫妻に前後編にわたり【イントロ編】【実践編】とお伺いしてきました。0歳からの旅にも教育効果がある!ママが笑顔になることが大切!そして家族のチームプレー!子どもにも家族にも、内向きになっているといわれる社会にもパワーを与えてくれそうな「旅育」、これからますます大きなムーブメントになりそうです。

ハピママ*でも引き続き「旅育」に関わるトピックスを発信してゆきます。どうぞご期待ください!

【取材協力】株式会社たびえもん 木舟周作さん・雅代さんご夫妻

株式会社たびえもん

「旅の力でみんなの夢をかなえる会社」として2012年4月、株式会社たびえもんをスタート。創業理念として「旅育」を掲げ、メディアや講演を通じて旅の楽しさと「旅育」を発信中。周作氏の著書に『海外旅行で子供は育つ!! (子供の人生を豊かにする“旅育"のススメ)』(イカロス出版)がある。

15の春から中国とのお付き合いが始まり、四半世紀を経た不惑+。かの国について文章を書いたり絵を描いたり、翻訳をしたり。ウレぴあ総研では宮澤佐江ちゃんの連載「ミラチャイ」開始時に取材構成を担当。産育休の後、インバウンド、とりわけメディカルツーリズムに携わる一方で育児ネタも発信。小学生+双子(保育園児)の母。