20代の自分に後悔はない。今後もアジアを舞台に活躍できる人間でありたい
このドラマ「スイッチ~君と世界を変える~」の撮影を終え、ことし7月、チャン・グンソクは入隊をした。これから約2年間、芸能活動を休止することになる。
年齢も30代に突入し、俳優・歌手という表現者としても、一人の男性としても、脂が乗ってきたところでの活動休止はとても残念ではあるが、本人の言葉を聞くと、これまでを振り返りつつ、また新たな目標を持ついい機会となっているようだ。
――ドラマ撮影終了後はどのように過ごしていましたか?
チャン・グンソク:撮影期間中、ずっと旅行に行きたいと思っていました。
友だちとも行きたかったのですが、まずは両親と行ってきました。僕にインスピレーションを与え続け、今の僕を作ってくれたのが両親ですから。
3人でゴルフをして、ゆっくりくつろぎながらいろいろな話をして。自分をリセットするのにとても有意義な時間でした。今後も、もっといろいろなところへ行ってみたいですね。
自分が住んでいる場所から離れ、行ったことがないところへ。30代の今だからこその感性で、あらゆるものを感じ取ってみたいです。自分で車を運転して、ドライブもいいですね。
好きなタイプの女性に変化?
――30代になったということで、好きなタイプの女性に変化はありましたか? これまでのインタビューでは、「女性らしい人」と答えていらっしゃいましたが。
チャン・グンソク:もちろん今も女性らしい人は大好きなんですが、最近は年上の女性ともっと話をしてみたいと思うようになりました。
年齢というより、自分の確固たるキャリアを築いてきた女性に興味があるという感じかな。30代は20代以上に仕事が充実してくる時期ですよね。
相手も仕事で忙しいくらいの方が、恋愛をするにもバランスがいいんじゃないかなと思って。キャリアに自信を持った現代的な女性にあこがれますね。
30歳となったこれから
――これまでの活動について振り返ったりはしましたか?
チャン・グンソク:10歳までは両親から与えてもらったものが人生のすべてでした。
当時からすでに子役の仕事を始めていましたが、僕自身、まだまだ幼かったので、両親に助けてもらいながら、たくさんのものを与えてもらった幸せな子ども時代でした。
10歳から20歳になるまでは、両親から与えてもらうだけではなく、自分も両親と一緒になって人生を築き上げていく日々でした。
家族3人で一緒に仕事をしながら、新たな家族の形を作っていったという感覚です。一方で留学も経験しました。日本の芸能界に興味があったので、日本の友だちを作ったり、日本語の勉強を始めたりも。
この頃の僕は、スタート前の車がエンジンをブルブルさせているような感じかな。
20歳から30歳になるまでは、がむしゃらに突っ走りました。だからこそ、今思い返してみてもまったく後悔がありません。やりたいこと、挑戦してみたいことをすべてやり切りました。
足りない部分があったかもしれないけれど、毎日、悔いのないよう頑張りましたし、全力で駆け抜けた実感があります。
30歳となったこれからは、自分の視点だけで物事を見ずに、時には隣の人と歩調を合わせたり、自分とは対極の世界にいる人の気持ちにも共感したりできる人間になれるよう努力を重ねていきたいと思っています。
ターニングポイントとなった作品とは?
――そんな中で、ターニングポイントとなった作品をあげるとするとなんでしょうか?
チャン・グンソク:やはり、「美男<イケメン>ですね」という作品が、僕の人生のターニングポイントになったと思います。
日本でデビューすることが夢だったし、国内外で俳優としてだけではなくエンターテイナーとして一人前になりたいという気持ちが以前からありました。
「美男<イケメン>ですね」への出演以降は、それがすべて現実となったんです。さまざまな国・地域を回りながら、“アジアのプリンス”になりたいと願っていたチャン・グンソクが、その名の通り本物の“アジアのプリンス”になった、それが20代の僕の最も大きなニュースだと言えます。
だからこそ、20代の自分に後悔はありませんし、今後もアジアを舞台にさらに活躍できる人間でありたいです。
――俳優として、歌手として活動していらっしゃいますが、ご自身の中で違いはありますか?
チャン・グンソク:俳優と歌手という仕事には、それぞれ異なる魅力があると思います。
俳優としてのチャン・グンソクに大事なのは、カメラの前でチャン・グンソクらしく振る舞うことではなく、演じるキャラクターの世界観を表現すること。
歌手としてのチャン・グンソクに大事なのは、ファンのみなさんの目の前で、まさにその瞬間を楽しむ姿を披露すること。
ドラマはドラマ、ライブはライブで、異なる僕の表情をそれぞれ別の感覚で楽しんでいただけたらうれしいです。
――しばらくファンの方とお会いする時間がなくなるのは寂しいですよね。
チャン・グンソク:ファンの方と会えないときには、確かに寂しくなります。
ですが、その時間を楽しもうと努めてきました。20代の頃は、いつでも走り始める前の馬が雄たけびをあげるようなテンションでしたが、30歳になってからは寂しさといった感情もしっかりと受け止めなければと思うようになりました。
爆発的に自分を表現することも大切だけれど、充電する時間も大切だと理解できるようになったんです。いろいろな音楽を聴いたり、ほかのアーティストのライブを見たりしながら、新しい自分を探す時間も必要ですよね。
ファンの方に会いたくなったときは、自分のライブのDVDを見ながら、僕のリアクションにみなさんがどのような反応をしてくれたのか、僕のどんなパフォーマンスでみなさんが笑顔になってくれたのかをチェックしつつ、次にみなさんと会える瞬間への期待に胸を膨らませています!
これからの約2年間は新たなチャン・グンソクの姿を見ることは難しくなる。しかし、彼はこれまでの活動の中で、最後にファンのために用意してくれたドラマ「スイッチ~君と世界を変える~」を始め、私たちに多くの姿を残してくれた。ファンも改めて彼のこれまでの軌跡を振り返りながら“次に会える瞬間への期待に胸を膨らませて”待っていてくれるだろう。
チャン・グンソク主演「スイッチ~君と世界を変える~」
10月12日(金)WOWOWプライムにて放送スタート
毎週金曜日午後7:00(2話ずつ放送)※第1話無料放送 ©SBS
STORY
違法な賭場が開かれていた無人島で、客同士による銃撃事件が発生する。そこに検事と捜査員が踏み込み、容疑者たちを次々と逮捕していく。しかし実は、その検事は成り済ましただけの詐欺師サ・ドチャン(チャン・グンソク)だった。商社の社長から大金を騙し取ることに成功し、仲間と喜び合うドチャン。時を同じくして車を運転していた検事のペク・ジュンス(チャン・グンソク・2役)は、トラックにぶつけられ車ごと海に落とされる。命からがら車から脱出したジュンスだが、意識不明となり病院へと運び込まれてしまう。
病院に駆け付けたジュンスの後輩検事オ・ハラ(ハン・イェリ)は、ジュンスが命を狙われたと確信し、秘密の場所にかくまう。そしてジュンスとうり二つの男ドチャンを探し当てたオ・ハラは、ドチャンの詐欺行為を見逃すことを交換条件に、ある取引を持ち掛ける。