トム・ハーディの色気がすごすぎる!
――トム・ハーディはかっこいいですが、このエディはジャーナリストとしての自分の仕事のためにアンのパソコンを盗み見たり、振られてからも偶然を装ってアンのアパートの前をうろついたり…
最低ですよね(笑)。こんなにかっこいい男がこんなにクズで愛おしくなります。いやぁ、クズな男って魅力的なんですよね(笑)。ただ、芯の部分に正義感や強さがあって、何よりもヴェノムとの相性が素晴らしいんですよ。
(大音量で音楽を流す)隣人に文句も言えないヘタレなんですけど、そこに「もう、仕方ないなぁ、のび太くん」と思わせるような憎めないところ、つい助けてしまいたくなるところがあるんでしょうね…。きっと寄生したヴェノムから見ても(笑)。
――あのおぞましいビジュアルのヴェノムに対して、意外と親近感を抱いているように感じられますが…?
ヴェノム、結構かわいいんですよ(笑)。
心の声でエディとコイバナしたり、意外と冷静にエディとアンを見て、的確なアドバイスをくれたり、ちょっとうらやましいというか、寄生されてみたいですね。実は「最悪」という名の「最高」なんじゃないかと(笑)。
しかも(ヴェノムの)声が獅童さんというのが、“相棒”としての説得力や頼もしさ、憎めなさを全て兼ね備えていて、この映画は実はバディムービーとして新次元の大傑作なんじゃないかと思いました。
映画館からの帰り道に、ヴェノムを好きになったという女の子があふれるんじゃないかと思います。
――これまで、様々なアニメや映画で声優としての経験を積んできましたが今回、新たな境地が開けたという感覚も強いのでは?
今回の作品で、本当に大幅な経験値と財産をいただいてしまいました! 難しかったですが「こうかな?」と試しつつ、息づかいやいろんなトーン、出したことない声やニュアンスに挑戦させていただきました。
例えば、どのワードに一番力を入れるかでこんなにもニュアンスが変わるのか? など、勉強させてもらいましたし、試行錯誤しながら楽しく、改めて声のお仕事の奥深さを感じました。
アニメでたくさんのチャンスをいただいてきましたが、30代になって今回、こうした機会をいただけて、未来への大きな宝石になる経験ができたし「もっといろんな役をやりたい」という思いもわいてきました。それこそ、アンのようにもっとガンガン働きたいなと思いました。
――ご自身にも欲が出てくるでしょうし、制作側も単なる映画宣伝を兼ねた“ゲスト”としてではなく、いち声優として中川さんを見るようになっていると思います。
本当にありがたいことに『ポケモン』で12年、『ラプンツェル』でもTVシリーズまでやらせていただいたり、本当に機会をいただけるのが嬉しいです。
私、洋画を見るときに、字幕を出しながら吹替で見るのが好きなんです。
アメリカンジョークのニュアンスを吹替でどう言ってるのか? 文字数の違いをこんな風に表現しているのか? 「え? セリフ回し、台本があるって思えない!」とか興奮して何度も巻き戻したり(笑)。
だからこそ、自分もいちマーベルファン、いち映画ファンとして「芸能人の顔が浮かんでくる洋画はホントいらない!」と思うみなさんの気持ちがすごくわかります。
「これ中川翔子じゃん」と思われるような要素を除去しつつ、でも、もちろん、わざわざ私を選んでくださってくださってるわけで、中川翔子らしさも必要だし…とか考えちゃうことはたくさんあるんですが(苦笑)、少なくとも「中川翔子」という名前が出てきた時に「じゃあ安心だね」と思っていただけるように頑張っていきたいと思います!