部下が雑事で忙しそうにしていたら、●●してあげることが大事
「一番多いのは、やはり目標が持てなくなったとき。
最初はよくても、次第にチームと個人の目標のベクトルはズレてくるもので、そういうときは見直さなければいけません。
他にも、日々忙しくて目の前の雑事に追われているとき、自分の仕事が評価されていないと感じているときなどに、モチベーションが下がります。
部下が雑事で忙しそうにしていたら、その仕事の意義、目的達成のための重要な仕事であることをきちんと説明してあげることが大事ですし、評価に不満があるようだったらコミュニケーションの取り方を変える必要があります。
いずれにしても、常に個々のメンバーを観察して、変化を見逃さないようにしなければいけません」
やはり、何より日々の観察と密なコミュニケーションが重要なようです。
染屋さんは、「ビジネスにおけるコミュニケーションは、まず質より量」と言います。
一人のチームメンバー、部下の立場からしても、「上司が忙しそうで、声をかけづらい」などと思わずに、積極的にかかわっていく姿勢が重要なのだとか。
「遠慮していれば、自分が思っていることが伝わらない、上司が思っていることが分からない、という事態になり、探り探りのコミュニケーションをとり、推測で動いてしまうことにつながって、大きなロスが生まれます。
私自身、コミュニケーションが得意ではなく、論理的に話さなければと考えすぎて、上司となかなか話せない時期がありました。
そんな中で、恩師から『コミュニケーションに失敗はない』という言葉をかけていただき、目からウロコが落ちたのです。
つまり、失敗に思えても“うまくいかなかった”という事例がひとつ学べるだけで、次から方法を変えればいい。
私は関西人ですから笑いを取りにいって、見事にスベることもあり、一瞬は落ち込むのですが、次は別の角度から攻めよう、とすぐにアタマを切り替えるようにしています(笑)」
モチベーションが下がり始めていることを見極めるポイント
一方で、部下のモチベーションが下がり始めているなら、それを早期に発見することが重要。そのために見るべきポイントとは?
行動と言語の両面に兆しが現れます。
行動面だと「報告・連絡・相談――いわゆる“ホウレンソウ”が遅れ出したら黄色信号。期限や納期といった時間管理が甘くなる傾向があります。
その他、表情に疲れが出る、背中が曲がる、話し声が小さくなる、目を見て話さない。といった反応も多く見られるポイントです。
また、普段からきちんと観察していないと見逃しがちなのが言葉遣い。
感情が言語によって現れるので、例えば、仕事中に、面倒だ、忙しすぎる、嫌だ、どうせ無理…などのややネガティブな言葉が不意に、かつ頻繁に出始めると、あまり良い状態ではありません。」
まずは普段の状態をきちんと観察し、小さな変化に気づくことができる素地を作ってこくことが重要なようです。
そうすると、かける言葉も自ずと具体的になり、効果も高くなるといいます。
「例えば、『室温を快適にしてください』と頼まれても動きようがなくても、『暖房を1℃上げてください』なら、すぐに動けるでしょう。
具体的に行動がイメージできると動きやすくなります。この辺りの声のかけ方は、上司の腕の見せどころです」
もうひとつ、自分自身のモチベーションの維持について。