脚本・演出を勤める西条みつとしが主宰する劇団TAIYO MAGIC FILMの旗揚げ公演だった「HERO」、このたび2019年夏バージョンとして東京・ヒューリックホールにて7月31日に幕を開けた。開幕に先駆け、ゲネプロが行われ、7年ぶりとなる本作品を、廣瀬智紀、北原里英、小松準弥、前島亜美ほか、出演者らが熱く演じきった。

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ヒーローにあこがれていた少年時代も、今は毎日がうまくいかない飯塚広樹(廣瀬)。広樹はある日、仕事中の不注意をきっかけとした怪我で入院することになる。見舞いにきた彼女の浅美(北原)は、広樹とある約束があり、まもなくその日を迎えようとしていた。その約束が、「2年間限定の恋愛」というもの。付き合い始める前に広樹から言われ、条件を快諾した浅美だが、今は別れたくないと思っている。ふたりを別れさせたくない広樹の妹・真菜(前島)は、雑誌でみた広告を頼りに、怪しい人材派遣会社を訪ねる。そこにいためんどくさいタイプの社長の松島(小松)、部下の小松崎(小築舞衣)が提案してきたのは「パターン31作戦」。「あらゆるお悩み、トラブル解決します 成功しなければ100万円贈呈」と豪語する松島を信じ、依頼した真菜だったが、この「作戦」で事態は思わぬ方向に向かっていき・・・・・・。

初演では人材派遣会社の社長を演じた廣瀬は、初演とまったく異なる役となった「2年間」にこだわる広樹を、過去・現在を演じわけながら物語をすすめていく。そして広樹が話さない過去に翻弄される彼女・浅美を演じる北原、兄のためを思って行動する妹・真菜を演じる前島は、想定外に作戦へ巻き込まれた様子を、緊張感ある演技でありえないシチュエーションをリアルに演じた。また広樹と同室の若草(今立進)、その彼女・皐月(中村涼子)、友人・穴川(米千晴)も作戦の被害者となるが、想定外の推理で更なる混乱を呼び起こす。3人が登場するコメディパートは思わずクスッとくること間違いなしだ。

謎が謎を呼び、人材派遣会社の松島、小松崎が提案した「パターン31作戦」が全員を引っ掻き回しながら進んでいく今作。「パターン31作戦」の全容とは? また広樹が持ち出した「2年間限定の恋愛」の理由、そして広樹、浅美の行く末は、ぜひ劇場で確認してほしい。公演は8月4日(日)まで、東京・ヒューリックホール東京にて。チケットぴあでは各公演前日まで、当日引換券を発売中。