「平均ペース型」の走り方はなぜ悪い?

例えば前回のレースが4時間超えだった場合、サブ4を目指すにはそのはみ出した分を短縮する必要があります。仮に1kmあたり数秒を短縮する必要があった場合、平均ペース型で走ると、その設定が毎kmごとにのしかかってきます。最初の1kmと35km地点で同じように数秒短縮をしなければなりません。

しかし、元気な時と消耗している時では、同じように時間を縮めることは大変。一見、平均ペース型は良いスタイルに見えそうですが、これは現実的ではないですよね。

そこで登場するのが、小出監督が推奨する「後半型の走り」です。これまで、レース後半にピークをもっていくという発想はありませんでしたが、先行型、平均ペース型よりも現実的な走りとなっています。

ポイントは「前半10秒遅く、後半10秒速く」。

これは、実は平均ペース型と同様にサブ4やサブ3.5が達成できるペース配分なのです。

例えば、サブ4の場合、平均ペース型の場合は1kmを5分40秒で走る必要がありますが、後半型だと最初の15kmまでは10秒分足した5分50秒で走って良いのです。途中15~30kmの間は1kmを5分40秒で走り、最後の15kmを5分30秒で走るのです。

平均ペース型だと3時間59分06秒でサブ4を達成できますが、後半型でも3時間59分35秒で見事目標を達成することができます。

サブ3.5も同様に平均型では1kmあたり4分55秒で走り3時間27分28秒で目標が達成。しかし、後半型で走って「+10秒-10秒」を取り入れたとしても、3時間27秒55でサブ3.5を達成できるのです。

小出監督がオススメする後半型は、前半に体力を温存しておいて、辛い後半に楽しく走りきるというもの。もちろん1kmをそれなりのスピードで走る必要がありますし、その他の調整も必要です。しかし、市民ランナーにありがちな先行型・平均ペース型だとなかなか結果が出ないのも事実。ここは名匠のお知恵を借りて、後半型で勝負してみてはいかがでしょう。