×第4位 飽きるまで書かせる

「量を書けば上手になるだろう」と考え「毎日、このひらがな練習帳を一枚仕上げなさい」「最後の枠まできちんと埋めなさい」などと、どっさりやらせたくなりますが、子供は無味乾燥な文字書きの練習を嫌というほど、また飽きるほどやらされてすっかり嫌いになってしまいます。

【解決法】

毎日、練習することで上達します。そのためには「もう少し書きたい」というところで切り上げて「続きは明日やろうね」と言った方がよいのです。「もっと書きたい」とせがんできても「はい、おしまい」とするのです。すると、明日の文字の練習時間が待ち遠しくて仕方がなくなります。学習を継続させるコツですよ。

×第5位 スピードを要求する

小学校の中にはストップウォッチを手に持ち「ヨーイドン」と制限時間を設け、いかに多くの文字を書いたかどうかで評価する先生がいます。でも、運動会の徒競走ではありません。

「どんな文字でもいいから速くたくさん書けばいい」と指導してしまうと書けば書くほど汚い文字が定着してしまいます。一生使うひらがな、そしてひらがなはたった46文字しかありません。一文字一文字ゆっくり丁寧に書いて綺麗な字形を身に付けさせることの方が大切です。

【解決法】

計算練習など時間制限を設けることも必要な科目もありますが文字を書き始めた幼児に対しては“量より質”が肝心です。3文字~5文字でもよいので書いたらよしとしましょう。

例えばこんなのを見せて「どちらが綺麗に書けていますか」と質問すると、子供達は左側を指します。そして「たくさん書かなくてもいいから、一つ一つ丁寧に書こうね」と話をするとゆっくりと書くようになります。

×第6位 壁面に飾って他の子と比べる

お絵かきの展覧会のように子供の書いた文字を貼りだすのはどうでしょう。保育園や幼稚園で絵と同じ感覚で保護者がお迎えに来る壁面に貼っている園もあります。

園側は「比較させよう」という気持ちはなくてもどうしても、我が子が下手くそな字を書いていると「どうしてお友達のように書けないの」と子供をなじる保護者も出てきます。

すると家でも「お友達のように書けるようにもっと努力しなくてダメよ」「なんでみんなのように書けないの」と責めたりするリスクもあります。これで子供は「僕はダメな子なんだ」と思い気力を失ってしまいます。

【解決法】

園の玄関に貼りだしてあっても見ないか、見ても他の子供の字と比較する言葉を子供には言わないようにしましょう。

こんな風に枠の中に書けているだけで褒めましょう。

(c)あべゆみこ