映画『謝罪の王様』(13)、ドラマ「あまちゃん」(13)、「ゆとりですがなにか」(16)などで知られる、人気脚本家・宮藤官九郎の最新監督作『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』。
本作は修学旅行中の事故で死亡し、地獄に堕ちてしまった普通の高校生・大助が、地獄のロックバンドを率いる赤鬼のキラーKらと大騒動を巻き起こしながら、現世に転生するために奔走する抱腹絶倒コメディ。
キラーK役の主演・長瀬智也(TOKIO)を始め、桐谷健太、清野菜名、皆川猿時、シシド・カフカらが鬼になりきったこの話題作で、『るろうに剣心』(12~14)、『バクマン。』(15)などの神木隆之介が、ファーストキスもしないまま死んでしまうチャラい高校生・大助をコミカルに快演!
壮絶&荒唐無稽な“地獄めぐり”を体感した彼が、撮影中の“地獄”から自身が思う正しい“高校生”のあり方、死ぬまでに絶対やっておきたいことなどを楽しく語ってくれました。
神木竜之介の高校時代は?
――大助は高校三年生ですが、高校生になるためにどんな役作りをしましたか?
「全然意識していないです。心がまだ高校生で止まっていて、全然抜けられていないと思っているので、高校生の役がいつ来ても高校生のノリができます(笑)。
それは僕が学生時代をすごく楽しむことができたからだと思いますが、まったく抵抗なく、すぐに戻れます。
25、6歳になったら違う想いが出てくると思いますが、いまは制服を着た自分を見て高校生だな~と思えるし、“高校生の役です”と言われても“もう無理!”とは全然思わないです」
――演じているときに、高校時代のことを思い出しますか?
「思い出します。くだらないことばかりやっていたので(笑)。
つまらなそうに過ごしている人を見て、何か面白いことができないかな?というところから始まって、くだらないことをいろいろやり始めたのですが、自分自身すごく楽しんでいたので高校時代は自信を持って“楽しかった”と言えます。おそらく一生忘れないです」
――高校時代に戻りたいと思うことは?
「たまにあります。高校三年生のときは早く卒業したかったし、高校生活を楽しんだからもういいやと思っていたのですが、少女漫画を読むと戻りたくなります(笑)。
制服を懐かしく思う年齢になったんだとしみじみ感じます」
――最近、いろいろな制服の着方がありますよね。 韓国が発祥の、制服の上にパーカーを着る“オルチャン”とか……。
「僕は普通でした。腰パンが似合わないので、今回演じた大助と全然変わらないです」
――逆に、女子がどんな制服を着ていたら、どんな着方をしていたらキュンとします?
「普通に着ているのがいいと思います。卒業すると制服自体がいいなと思う23歳なので、似合っていればいいです(笑)」
――大助は高三で亡くなって、たくさんの未練を残しますが、神木さんの10代はいかがでしたか?
「10代はですね……まず高校二年生までは進路のことは何も考えなくていいと思っていました。大学に入るために勉強することよりも、学生時代は友だちとの時間を楽しんで、楽しいと思えることを率先してやることが大事。
学校を卒業してから20歳までの2年間で、ゆっくり将来について考えようと思っていました。
でも、その分全力でしたし、3年前まではまだ10代でしたが、10代は爆発的な勢いやパワーを持っているので、楽しいと思うことを絶対にやった方がいいと思います。
いろんなことを試した方がいいし、できれば、いろいろなことに興味を持った方がいい。それが僕の考える10代です。
僕は高校を卒業したときに、俳優の仕事で食べていくんだと思い、20歳になったときに大人としてますますその決意を固めたけれど、10代のうちは準備期間なので思い切り楽しんで、卒業後の2年間で何をするのか覚悟を決めればいいと思います」
――先ほど制服の着方は「大助と全然変わらない」と言われましたが、似ているところはほかにもありますか?
「僕も少し適当というか、楽観的なところがあるんです(笑)。
大助は地獄を楽しんでいるけれど、僕もそういうところがあるし、人がボケたら突っ込む感じも似ている。
それに、大助はモテたくていろいろ努力するけれど、努力していたことがけっこう一緒で(笑)。僕も前髪にピンをつけたらモテるのかな? と思ってやっていたことがあるし。あそこはアドリブですが、僕も決してテンションは低くはないです」
――ツッコミ側なんですね。
「どちらかと言うと、ツッコミ側です。
でも、ボケて突っ込むことも多くて。周りにボケる人がいたら突っ込むし、そのような人がいなかったらボケていました」
――大助と似ていることによって、演じるのが難しいところもありましたか?
「大助は人をイラッとさせることができる天性の持ち主なので、今回は長瀬さんの演じたキラーKや桐谷健太さんが扮したCOZYなど、自分の周りにいる鬼たちを憎まれない程度にイラッとさせるのがいちばんのテーマだったんです。
でも、やり過ぎたら監督が止めてくれるので、思いっきり演じることができました。自分に近いキャラクターだったので、普段のテンションをさらに増していく感じでしたし、あまり難しくはなかったです」