「もう一度、5人でステージに立ちたい」

そして、本編最後のナンバー『Message(Japanese ver.)』へ。しかし、この曲もまた“定石通り”とはいかない様子。もともと、コヌが足を怪我しているからと「振り付けは最低限。フリースタイルで」と決めていたという5人。しかし蓋を開けてみると、コヌはイントロから定位置でキレキレのダンス。4人は慌てて定位置につき踊ることに。

ほかにも、コヌの見せ場をインスが“横取り”してコヌを戸惑わせたり、歌い上げるパートをラップ担当のセヨンが挑戦してみたり。楽しそうに歌って踊って、5人でいることの喜びを全身で表現する姿がまぶしく、何から嬉しくなる瞬間だった。

「もう一度、5人でステージに立ちたい」というセヨンの強い思いが叶い実現した今回のライブ。アンコールでは、このイベント(東京・大阪)が軍隊入隊前最後の日本滞在となるセヨンが「5人で最後にやってからいきたいとずっと思っていて、それができたので、心おきなく軍隊にいけます。2年後ももっと盛り上がっていきましょう!」と晴れ晴れとした表情で再会を約束。

インスが「怖い気持ちとか心配はあると思うけど、僕のこともみんなこうやって2年間待っていてくれたし、大丈夫だよ。やろうよ、また5人で。ね!!!」と激励すると、セヨンは瞳を潤ませながら、大きく頷いた。「軍隊行くんですけど……すぐ終わるから!」と明るく言い放つコヌ。しかし、すぐさま「長いよ」と経験者のインスに現実を突きつけられ、固まりながらマイクを持つ手を大げさにブルブルと振るわせ、しんみりとしていた会場の空気を和らげる。コヌなりの、コヌらしい優しさにみんなが救われたはずだ。

最後は、マイクを置いて5人で手をつなぎ、マイクレスの地声で「ありがとうございました!」と絶叫。魂のこもった一礼で、2時間の笑顔にあふれたライブの幕を締めくくった。

K-POPライター。90年代に“韓国アイドルの元祖”H.O.Tにはまり、2001年から5年間の韓国留学。留学中に日本で起こった韓流ブームにのり、韓流ライターや韓流番組のMCとして活動。帰国後は、ライター業や翻訳家業を中心に活動。得意分野は、K-POP史と新人K-POPグループの青田買い。

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