日本の男子マラソンを輝かせるために

-日本の長距離界の強化にアカデミーの活動が貢献できることを教えてください

田幸:今の日本の長距離界が世界で勝負できるようになるためには新しい取り組みや新しい視点が必要だと思います。

子どもの頃から世界を意識して取り組める環境を作ることも、その一歩だと思っています。

日本においては、長距離種目はマラソンだけじゃなく駅伝もあります。

そのことにより、個人のマラソンやトラックレースで結果が出なかったとしても、駅伝で活躍することで評価される、という甘い気持ちを持ちやすい部分もあると思います。

残念ながら、現在は我々世代にとっての瀬古利彦のような存在がいないため、目標を明確に持てる選手が少ないように感じます。

そこそこ頑張っていれば評価されてしまうという環境のせいもあるかもしれませんが、子どもたちの目標となってもらうためにも、現役選手には高い目標をもってほしいと思います。

世界で勝負するという気持ちを小学生・中学生が常に持つことは難しいかもしれませんが、そういうことも頭の片隅に入れてトレーニングをして欲しいという思いがあります。

子どもの頃から目標はマラソンだよねと言われ続けるのと、何も言われずに育ってきて、大学や実業団で目標はマラソンだよねと言われるのは大きく違うと思います。

おぼろげながらでも将来マラソンをやるんだという気持ちを今から少しでも持ってトレーニングを継続する事で大きな舞台に到達する可能性は十分あると思っています。