錦戸(亮)くんのひと言で、気づかされた

――怒られることもいい刺激になったわけですか?

「いや、怒られるのはめっちゃイヤやったですよ。だから、ひとりで夜の公園に行って、街灯の下でダンスの練習をしてました。そういう自分がちょっとカッコいいな~とか思いながら(笑)」

――辛いときほど、自分をちょっと客観視するところがあるんですかね。

「ああ、それはちょっとあるかもしれない。いまでこそなくなったけれど、昔はもっとカッコつけていたような気がするし、周りからの見え方を人一倍気にしてましたね。

気にしなくなったのは、お芝居をしてからだと思います。

錦戸(亮)くんと一緒に舞台に立ったときに、『オマエ、カッコつけるな!』みたいなことを言われて。

いや、カッコつけたつもりはなかったんですけど、いいシーンにしないと、聞かせるセリフを言わないと、みたいなことを、たぶん考え過ぎていたんでしょうね。

でも、そのときに周りの見え方を気にしてお芝居をしたらあかんのやと、気づかされたんです」

――最後に、劇中の大友のように彼女にカラオケを歌うとしたら、何を歌いますか?

「何、歌うやろ~(笑)。あのシチュエーションでやろ。うわっ、何しよう?(笑)むっちゃ難しいっすね~。そうやな~(と、状況を頭に浮かべながら)。え~、『世界に一つだけの花』!」

どんなことを聞いても気取らない人柄で友だちと話すように答えてくれて、あっという間に周りを楽しい空気にしてしまう重岡大毅さん。

その誰に対しても壁を作らない明るいキャラクターが、現場で「太陽」と言われ、ヒロインの夏芽を演じた小松菜奈さんの癒しになっていたというのも納得。

『溺れるナイフ』の大友にはそんな重岡さん自身の魅力がたっぷり反映されているので、誰もが彼のことを好きになってしまうのだ。必見!

映画ライター。独自の輝きを放つ新進の女優と新しい才能を発見することに至福の喜びを感じている。キネマ旬報、日本映画magazine、T.東京ウォーカーなどで執筆。休みの日は温泉(特に秘湯)や銭湯、安くて美味しいレストラン、酒場を求めて旅に出ることが多い。店主やシェフと話すのも最近は楽しみ。