ドイツのソーセージ、フランスのパテやハム、どちらを選ぶ?

この店が日本に広めようとしているのは、ドイツの食肉加工文化だけにとどまらない。ドイツの隣国フランスで継承されてきたリエットやパテなどの食肉加工品も供している。

ドイツの食肉加工品店がメッツゲライと呼ばれるのに対し、フランスではシャルキュトリーという名称で長年親しまれてきた。

ブルターニュのシャルキュトリーで働いていた山田真子さんが手がける、パテ・ド・カンパーニュや玉ねぎとベーコンのキッシュなどを食べさせてくれる。

コンビーフを思わせるリエットは、ル・マンが故郷。ル・マンのリエットは豚肉で作るものが一般的だが、この店ではフランスで修業した山田さんが作る鴨のリエットが美味。鴨特有の濃厚な脂が食欲をそそる。

先ほど、ヴルスト3種盛合せのランチセットがあると紹介したが、シャルキュトリー5種盛合せのセットもある。

シャルキュトリー5種盛合せ 真上から時計回りに、バイエルンケーゼ、ボンレスハム、田園ベーコン、鴨のリエット、パテ・ド・カンパーニュ、鶏の白レバーのパテ

バイエルンケーゼ(細引きのソーセージ肉を型に入れて焼き固めたもの)、ノンスモークのボンレスハム、田園ベーコン、鴨のリエット、パテ・ド・カンパーニュ、鶏の白レバーのパテのワンプレートにサラダ、スープ、パンが付いて1200円。

肉フェチとしてはドイツのソーセージか、フランスのパテやハムか、どちらを頼むべきか大いに悩んでしまう。

この店は通し営業なので、おやつ代わりにソーセージを食べながら、ビールを味わえる。夕方になったら、そのままディナーに突入。ワインに切り替え、パテやリエットなどを頼む人も多い。そういう意味でもこの店は肉好きの天国なのである。

しかも悩ましいことにこの店は、デリカテッセンが隣接している。

デリカテッセン

ワインバーのメニューに掲げるソーセージやベーコンなどの食肉加工品はもちろん、サラダやキッシュ、ピクルスなどもテイクアウト可能だ。

デリカテッセン

肉好きなら肉好きらしく、ワインバーでも自宅でも思う存分肉を喰らおうではないか。

メッツゲライ・ササキ
東京都大田区田園調布3-1-3 1F
ワインバー03-5755-5971、デリカテッセン03-5755-5972
デリカテッセン11時〜21時、ワインバー11時半〜22時(LO21時)、ランチ11時半〜14時LO 月曜・火曜休
※記事中の価格はすべて税別

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。