「公共の場での授乳」で子育て世代が揺れるいま「パパにできること」がある!

「育児も、仕事も、人生も、笑って楽しめる父親を増やしたい」との思いから2007年にNPO法人「ファザーリング・ジャパン」を設立、ご自身も3児のパパである安藤哲也さんに聞きました。

イクメンが語る育児のコツ&テクニック、その驚きの答えとは?

――「公共の場での授乳」について論争が繰り広げられるなかで、思い悩むママが増えています。「ファザーリング・ジャパン」(以下、FJ)は安藤さんをはじめイクメン揃いかと思いますが、イクメンならではの、ママと赤ちゃんをフォローするコツやテクニックを教えてください!

安藤哲也さん(以下、安藤):FJのイベントなどでも、そんな風に聞かれることが多いのですが……

まず大切なのは“コツ”も“テクニック”も、そんなものは「ない」ということなんじゃないかな?

――エエエ!!そんな…。ではママは、パパにどうやって助けを求めたらいいのでしょう?パパは、どうやってママや赤ちゃんに寄り添えばいいのでしょうか。

安藤:僕や、FJの仲間たちの例から考えてみましょうか。

我が家の子どもたちは3人ともずいぶん大きいので、授乳期はもう昔のことになっちゃうのですが、3人ともほぼ完母でね。

その意味では、いま問題になっている「公共の場での授乳」で「どうしたらいいんだろう?」と悩んでいるママやパパと、立場としては同じだったと思うんです。

FJにもいま、完母の赤ちゃんを家で見ている主夫がいます。

赤ちゃんが完母だと、パパはおっぱいが出ないワケだから、ママにはどうしたってかなわない(笑)

僕も実際のところ、ママ抜きで赤ちゃんの面倒を見るのは2時間が限度でしたし、FJの完母主夫のパパも冷凍母乳をあげるだけじゃなくて、昼間にママのオフィスまで赤ちゃんを連れていって、授乳タイムをつくったりしています。

それくらい授乳期の赤ちゃんにとって、ママの存在というのは大きい。

でもね、産休育休中のママにしても専業主婦のママにしても、休日のワーママにしても、出かけたい時、出かけなければならない時ってあるじゃないですか。

そんな時には一緒に出かけて、僕なんかも大きなバスタオルをカバンに入れていって、授乳する時には妻に掛けてあげたり、周りに気を配ったりしていました。

パパがそばにいる「安心感」というのは絶対にあると思うので、それも「パパにできること」のひとつかもしれませんね。

とはいえ「公共の場での授乳」に否定的な声があったら……僕自身は「公共の場での授乳」は「いい」とか「悪い」とかではなくて、子どもを育てるうえで「避けられない」ことだと思っているけれども、ママやパパが外出を躊躇してしまう気持ちも分かります。

だからといって、ママが閉じ籠もってしまうことがいいことだとは決して思えない。

そういうシチュエーションで、パパに何ができるか。