――光畑さんが「解決策はある!」と断言されるのは、そういうことだったのですね。ではあらためて「公共の場での授乳」に悩むママたちへ、コメントをいただけますか。
光畑:私は、この20年余りずっと「公共の場での授乳」に向き合ってきました。とりわけ今回について、これまで以上に論争が大きく発展したのは、近年、母乳育児をしているママが増えて、当事者の数自体が増えたから、という背景もあるのかもしれません。
いずれにしても老若男女を問わず自分の立場と主張をぶつけ合うバトルは、いつも同じような過程をたどってきたように思います。
社会は、良くも悪くも、この点についてはあまり変わっていないのかもしれませんね。
ただ、ここまで大なり小なりバッシングをされながらも「公共の場での授乳」が完全にシャットアウトされずにいるのは、裏を返せば、ママたちが恐れているよりずっと、社会は“寛大”だから、とも言えると思います。
いや、正確にいえば、思うところはあるけれどもできるだけ“寛大”であろうとしているのではないでしょうか。だから、必要以上に怖がることはないし、萎縮することもないのです。
そしてこの問題には「解決策がある」ということを、ひとりでも多くのママに知って欲しいし、体感してもらいたい。
たとえ「赤ちゃんは泣くのが仕事」と考えていたとしても、公共の場で「泣いて欲しい」なんて願うママはいません。
ママになったから「赤ちゃんと私に気遣ってよ!」なんて、そんな風に感じるようになるわけではない。周りにイヤな顔をされないで済むのなら、誰だってそうしたいでしょう?ママだって、本当のところは同じなんです。
そうであれば、ママも赤ちゃんも、そして周りの人も、みんながハッピーになる解決策を試してみませんか。
ママも社会も笑顔になれる!Nursing Freedom(授乳の自由)を目指して
光畑:外での授乳にプレッシャーを感じなくなると、ママ自身が周りに神経を使っていた分、赤ちゃんの顔や仕草をよく見てあげられるようになります。
気持ちがピリピリしなくて済むので、心に余裕ができるというのでしょうか。「赤ちゃんが、もっと可愛くなりました」なんてコメントをいただくこともあって、こちらもうれしくなってしまいますね。
「公共の場での授乳」については、根っこから解決できるソリューション(解決策)があります。解決策は、あるんです!ママたちにはぜひ「授乳服」を上手に活用して、気軽にどんどん、お出かけをしていただきたいですね。
私たちも授乳服ブランドとして、ママたちを応援できるような商品をご提案してゆくと同時に、子連れスタイル推進協会として、子どもと一緒に社会に出られる機会を「お出かけ」にしても、さらには「仕事」にしても、積極的に作ってゆきたいと思っています。
モーハウスでもスタッフのおよそ4割が“子連れ”で出勤して、オフィスやショップで授乳しながら、大きな戦力として働いています。