陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様 織田信長所有 安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館
男性ファッションと欧米文化の受入れ、そして現在の「きもの」
第3章「男の美学」では、男性ファッションに目を転じる。
信長・秀吉・家康のそれぞれの個性が光るが陣羽織をはじめ、「つう」の間で流行したという個性的で派手な下着や、火消したちがまとった勇壮な絵柄が刺し子で表された半纏、印籠やタバコ入れなどのおしゃれ小物が並ぶ。
火消半纏の展示風景 江戸時代・19世紀 東京国立博物館蔵
続いて第4章「モダニズムのきもの」では、明治、大正、昭和初期のきものを紹介。
欧米からの文化や、新しい素材、技法の影響を受けて生まれた、これまでにない多様な色柄のきものをはじめ、帯留めなどの小物がずらりと並ぶ。
第4章「モダニズムのきもの」会場風景
第4章「モダニズムのきもの」会場風景
最終章となる第5章「KIMONOの現在」では、現代の作家たちによる個性的なきものを展示。
絵画のようにきものをデザインした岡本太郎、独自の縫い締め絞りを展開した久保田一竹、伝統と革新を試みる人間国宝のデザイン、さらに、X JAPANのYOSHIKIがプロデュースするYOSHIKIMONOなど、現代進行形で進化するきものの姿を見ることができる。
YOSHIKIデザイン YOSHIKIMONO 展示風景
時代の風潮や技術革新などの影響を受けながらも、日本人の美意識を映し出してきた「きもの」。その発展をたどる壮大な歴史絵巻にして、現代に生きる私たちの文化にまで通じる日本のモードを、この機会に堪能してほしい。
【開催情報】
『きもの KIMONO』8月23日(日)まで東京国立博物館にて開催
※会期中展示替えあり
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