この現状で何ができるか、ということ

©2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会

――今回のコロナ禍による自粛期間を経て、亀梨さんは何か考え方が変わったことはありましたか?

仕事に限らず、生き方について改めて考えた部分はありましたけど、ものすごく気づきがあったか、というと、僕はそこまではなくて。というのも、普段お仕事をさせてもらっていることだったり、それを応援してくださる方々のことだったりは、そもそも考えていたことだったので。ライブができることも、テレビや他のお仕事もそうですけど、当たり前と感じたことはなかったし。

ただ今までできていたことができなくなってしまった、という環境の変化に対しては、自分も理解して、行動に移していかなければいけないな、とは思いました。ジャニーズ事務所として「Johnny's Smile Up ! Project」を通して医療従事者の方に支援を行ったり、YouTubeでの配信をしたりする中で、その意義をきちんと理解して、参加するということはしましたし、一個人としてもできることがあればやりたいと思っています。

その中で、僕があの時期に時間を注いでいたのは、この現状で何ができるか、ということだったと思います。毎週日曜日に「Going! Sports&News」の生放送があったり、ラジオのレギュラーや、雑誌の連載もあったりしたので、これまでやっていたことが全部ストップするという状況ではなかったんですね。

だから、ラジオと連動してジャニーズのサイトを使いながら、音だけじゃなくて目でも楽しめるものを作れないかな、とか。雑誌も、過去のものを出すという方法もあったけど、僕が家で撮影をして、いつものチームで新しいものを1ページ作ることはできないかな、とか。「野ブタ。をプロデュース」(日本テレビ系)の再放送も、できることがあったらやります、と話して、コメントを撮らせてもらったり。

あとは、普段からお世話になっているバラエティ番組のスタッフさんと話して、「Going!~」でも、スポーツを通して何かできないか、と思って「高校生全力30秒選手権」をやらせてもらったり。

――ご自身がこれまでやってきたことの中から、できることを積極的にやっていく、ということですね。

新しいものを取り入れるという方法もあるとは思いますけど、ちょっと角度を変えることで新しいものを生み出せるんじゃないかなって思ったんです。これまでであれば改めなくていいことまで改めなきゃいけなくなってしまったこともあるとは思いますけど、僕はそこをプラスの意識に変えて捉えられたらと思っています。もちろん新しいことに挑戦することも視野に入れつつ、今あるものもできる範囲で模索したいと感じています。


冒頭から「これが亀梨和也?」と疑いたくなるほど、普段のカッコいいオーラを消し、“売れない芸人”に徹した亀梨さん。その前提があったからこそ、スムーズに物語に没入でき、“ホラーエンターテインメント”を存分に堪能することができました。

準備段階からストイックに役と向き合った亀梨さんが、共演者、スタッフと一緒に作り上げた映画『事故物件 恐い間取り』を、怖がりながら、楽しんでみてください。

作品紹介

『事故物件 恐い間取り』

2020年8月28日(金)全国ロードショー
© 2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会