Nothing's Carved In Stone(以下NCIS)が、8月26日にセルフカバー・アルバム『Futures』をリリース。そして、9月19日(土)には、今年2度目となる配信ライブ「Nothing's Carved In Stone Studio Live “Futures”」を実施する。
今年2月中旬以降の全ての公演が延期・中止となったコロナ渦での思い、そしてセルフカバー・アルバムに込めた意味、NCISにとっての配信ライブとは?
後半は、6月に開催した配信ライブ、そして9月19日に控えた「Nothing's Carved In Stone Studio Live “Futures”」を中心にボーカル&ギターの村松拓、ギターの生形真一に話を訊いた。
ナッシングスがこだわる配信ライブの“スタイル”と“目的”
── 今年のライブシーンは、3月から無観客ライブを無料で配信、5月くらいからリモートで有料配信、6月中旬くらいからは、ライブハウスなどからの有料配信ライブが各所で開催され始めました。
村松 自分たちも配信ライブをやってみたいなと思いながら、どういう風にみんな配信ライブをやっているんだろうって、他のバンドの配信を見てました。例えば、ライブハウスでツアーファイナルがZeppだったらそこからやったり、福島に行く予定だったACIDMANがそこからやったり。
もちろん、配信ライブみたいなものが一つの表現方法に変わっていくだろうなと思って見ていて、そこをちゃんと自分たちのバンドなりに芯を食った状態で配信ライブできる方法ってなんだろうなって考えてましたね。
生形 4人で話してまず考えたのは、配信ライブをやるべきかどうか、やらないって選択肢も考えたし。ただそうしたら、本当にライブが何もできないなって思って。まずは1回やってみて嫌だったらもうやらなければいいしって話をして。拓ちゃんも言ったけど、やるんだったら自分たちのやり方ですよね。どういうやり方でやったらいいかをすごく考えて。
当時、ライブハウスからの無観客配信ライブをやっているバンドが増えて、ただ自分たちのスタンスだったり考え方としては、観客のいないライブハウスでライブをやるっていうのは難しいかなって思って。だったら、ちょうどレコーディングもしていたし、レコーディングスタジオでいい音でできたらと思って。ずっと前に1回配信ライブをレコーディングスタジオからやったことを思い出して。アルバム『echo』(2011年)と『Strangers In Heaven』(2014年)のリリース時に無料配信で。そのときに、むちゃくちゃいい音だったことを覚えていて。それをファンの子もそう言ってくれていて、それができたら面白いんじゃないかって。
── それぞれのバンドの個性というか思いやこだわりが配信ライブに表れますね。
村松 そうですね。スタイルと目的とね。
── そんな中での音へのこだわりを持って、レコーディングスタジオからの配信(6月27日「Nothing's Carved In Stone Studio Live “Navigator”」)は、NCISらしいなと。視聴させていただき、配信なのに画面越しに汗ばみました(笑)。
生形 その緊張感がいいですよね。俺らも緊張しましたからね(笑)。
村松 ガッチガチでしたね(笑)。
生形 音がいいだけあって、全部聴こえてくるから。それを気にするし、ミスれないっていうかそういう緊張感がありましたね。ライブハウスは、音もデカいし雰囲気も込みで紛れる部分はありますからね。
── ライブハウスから配信された方は、オーディンエスが目の前にいなと反応がなくて、やり難いとおっしゃっていました。
生形 それはそうですよね。
── スタジオからだとその辺はわりきって。
生形 そうですね。俺らは4人で向き合ってやっていたから、4人の感じを伺いながらやるっていうか。だんだんみんなが熱くなってくるのがわかったし、カメラのスタッフも昔から知っているメンバーでどんどん動いてぶつかってきたり、その辺も含めてよかったというか。
── アンコールの「Rendaman」は、視聴者のチャットでのリクエストで「きらめきの花」とどちらかということで、その場で「Rendaman」に決めて。ライブならではの生々しさも伝わってきました。
生形 それが伝わっていたのはよかったです。