工藤晴香 (写真 / 後藤千尋)

(「KEEP THE FAITH」は)後の自分を支えてくれる曲にもなる

── もとからご自身はポジティブな性格でしたか?

工藤 実は自分に自信が全くない時期もあって、負のオーラを出しすぎて周りの人たちを不快にさせていたこともありました。覇気がなさすぎて芝居も怒られたこともあって、自分を信じられなくなった時期もあるけれど、それを振り切って今がありますね。

── 新しいことにはどんどん挑戦していく姿勢も、工藤さんが表現者として伝えたい想いに通じた部分がありますね。表題曲「KEEP THE FAITH」では、初のラップにも挑戦しています。

工藤 今作は前作と違うテイストにしたかったんです。1枚目と同じことをしても意味がないんじゃないかなと思って、この曲では、日本語ラップが以前から好きだったので、他の声優さんでしている方も少ないし、“ラップしたい!”とお伝えして初めて挑戦しました。

発音だったり、韻を踏む歌詞を書くのも難しかったですね。

── 日本語ラップはどんな方を聞いていたんですか?

工藤 昔からDragon AshさんやRIP SLYMEさんもすごく聴いていましたし、最近だとKOHHさんも好きで聴いていますね。可愛くラップするよりはカッコいい感じでやりたい気持ちはずっとあったので、今回はうまくできたかなと思います(笑)。

── 《可能性に終わりなどない 数字で決めつけていく世の中にspit out》という歌詞にもロックスピリットを感じました。

工藤 女性は年齢で決めつけられてしまうことが多くて、20代の時から自分も年齢で色々と言われてきました。

私も将来のことを考えた時に、年齢で言われることが多かったので、自分でもすぐ決めつけちゃうところがあって。自分に対しても、自分と同じように感じてる人たちにも、“年齢なんか気にすんな!”と言いたかったんですよね。

何をするにもやりたいことに関して、“他の人や意見は関係ないよ”って伝えたいんです。新しいことに挑戦することは悪いことではないし、いつだって人生スタートラインが切れる。この曲をずっと歌い続けるんだろうなと思った時に、後の自分を支えてくれる曲にもなるんじゃないかとも思って書きました。