五郎丸歩
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まさか、13年前に引退を決めていたとは。早稲田大を卒業し、ヤマハ発動機ジュビロとプロ契約を結んだ際、22歳のルーキーはすでに35歳で引退すると決めていたと言う。12月16日、記者会見に臨んだ五郎丸歩は衝撃の事実を語った。

「『35歳まで第一線でやる』と決意して契約をしました。ここ数か月やここ数年ではなく、長いスパンで考えてきた結果。その気持ちが変わらなかった」

なぜ、35歳なのか?

「なんででしょうね(笑)。22歳の自分に聞いてみないとわからない。当時はパフォーマンスの限界が35歳だと考えていたのかもしれませんね」

ブレずに自分を貫き通す五郎丸らしいエピソードだが、決して頑固なまでに引退に固執していたわけではない。

「3歳から始めてきたラグビーやめる寂しさはあります。ただ32年間全力で走ってきた私には全力で戦う気力、体力はあと1年しか残っていません」

五郎丸歩 ©F.SANO

また五郎丸はこうも言った。

「自分に感情がなければ、まだできるかもしれない。ただ気力の部分が衰えていると感じた。35歳で現役を退くことが自分にとってもチームにとってもベストな選択だと信じています」

『ジャパンラグビートップリーグ』は今季限りで最後となる。来季には華々しく新リーグがスタートする。「もう1年やろうという気は起らなかったのか」と質問が飛ぶと、次のように答えた。

「『新リーグで1年やってみたらどうだ』とも言われましたが、22歳で決めた通りに『トップリーグ』とともに去るというのが自分らしいかなと」

では、なぜこのタイミングでの引退発表となったのか。『ジャパンラグビートップリーグ2021』はちょうど1カ月後の1月16日(土)に開幕する。

「こういう発表はシーズンが終わった後にやるのが本来の形だと私も理解しています。でも、昨季は新型コロナウイルスによって、6試合でリーグが中止になった。

今季ももしかしたら中断してしまうかもしれないと思い、これまで応援してくれた方々への私なりの礼儀として、このタイミングでの発表になりました」