障害がある場合も

1. 場面緘黙症

1.ある特定の状況、場面以外では話すことができるが、そのある特定の社会的状況、場面では常に話すことができない。

2.この疾患により、学業上、職業上の成績が適正に評価されない、または対人コミュニケーションを円滑に行えない。

3.この疾患が少なくとも一カ月続いている。

4.場面に応じた知識があり、会話の楽しさを知っているが、話すことはできない。

5.コミュニケーション症(例:小児期発症流暢症)ではうまく説明されず、自閉スペクトラム症、統合失調症またはその他の精神病障害の経過中にのみ起こるものではない。

出典:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル

もし、心配であればお住まいの自治体に連絡し、相談する場所を紹介してもらいましょう。

また、直接、小児の精神疾患を専門に扱うクリニックや大学病院を受診するのもよいです。

2. 聴覚障害

全く聞こえない場合や聞こえづらいケースです。言葉が入ってこなければ、なかなかしゃべるようにはなりません。

【解決策】

話しかけても振り向かないなど「おかしいな」と感じたら、耳鼻科を受診させましょう。どれくらい聞こえているか聴力検査を受けることが出来ます。

3. 自閉症

生まれつきの脳機能の障害です。耳も聞こえていて、声を出す機能に問題がなくても言葉の発達が遅れます。

社会性の障害により人に関心がなく関わる気持ちが薄いので、言葉の発達が遅くなる可能性があります。

【解決策】

「おしゃべりしなさい」と言っても難しいです。また、「これはリンゴよ。リンゴって言いなさい!」と訓練しても単語が増えるだけで、なかなか会話にはつながっていきません。

「これはリンゴよ。リンゴって言いなさい!」というと「これはリンゴよ。リンゴって言いなさい!」とオウム返しするだけに留まったりします。

筆者の息子は自閉症ですが、幼児期に主治医に「言葉を話す訓練をしたい」と申し出たことがありました。けれども、医師から「“誰かと関わりたい”とか“人の真似をしてみたい”という動機が起こらなければ、なかなか話せるようにはなりません」と言われました。

実際、単語が増えても友達に「ねえねえ、一緒に遊ぼうよ」なんて会話するようにはなりませんでした。

おしゃべりするということは単語を増やすことでなく、それを使ってコミュニケーションすることです。

英語だって「外国人とコミュニケーションを取りたい」という強い動機があって話しかけることができます。英単語を知識としてたくさん知っているだけで、「人とあまり関わりたくない、交わりたくない」と思っていると、なかなか上達しないのとある意味同じですね。

まとめ

平均的には子どもは2歳くらいになれば言葉を話すようになりますが、個人差がとても大きいです。あまり神経質になる必要はありませんが、心配な人は参考にしてくださいね。