自分にとって初めてのチャレンジだったんですが、過去の経験がちゃんと身に付いていたのか、「100でやれない」と気付いてから、いい意味でセーブをしてみたんです。

ずっと100で作ってきたものを、70や80に下げるというか、歌や台詞の声や言い回しを、初日の頃とは変えてみたんです。

もちろん、70や80に下げるのは、「表現が追いついてないんじゃないか」って、すごく不安でした。難しくもあったんですが、今回はいい意味で、音響さんに頼らせていただきました。

音響さんは、繊細な音までずっと聴いてくださっているから、状況をすごく理解してくださって。こういう時のために、テクニカルチームの人たちが支えてくれていることも、今回学べました。

甘えてはいけないとわかっているけれど、でも、生の舞台を作っているのは、プロの人たちの集団だから、そこは両手を合わせて「お願いします」とお願いしました。音響さんも、

「よく頑張った!」

「あと、1日ガンバレ!!」

って、言ってくれて、すごく心強かったです。本当に、感謝しています。

それで東京公演が終わった頃かな…、久しぶりにゲネや、初日の頃の録音を聴いてみたんです。そうしたら、

「あ…、自分、声を張りすぎてる」って、思ったんです。

もちろん、お客さまに伝えるために、100でパフォーマンスするのはいいことだけど、でも抑えて初めて気付くこともあるんだって、今回すごくわかったんです。

--佐江ちゃんが、最近よく言っている「良い加減」にも繋がりますね。

本当にそうです!

ルーシーは、基本的にガミガミしているので、悪く言っちゃうと全部、「一本拍子」に聞こえちゃうというか。

--ずっと怒っている、みたいな?

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