そう、「ただただ怒っているだけで、可愛げがある子に見えなくなっちゃうかも」っていう不安は、稽古場での稽古が終わってから、ずっと考えていたんです。それは、
「そんなに、ずっと怒ってなくても大丈夫だよ」
って、指摘されて気付いたことでもあったんです。
自分では、怒っているつもりはないんだけど、6人の中で、誰よりも声を張って、大きく台詞を言って、声の高さも変えていたので、普通にしゃべっているときよりも、感情の振り幅が減ってしまっていたんです。
声のボリュームと高さが、上に行き過ぎちゃって、振り幅に余裕がなくなってしまったというか。
自分の中では、「ここまで下げて大丈夫なのかな」って不安になるくらい、下げてしゃべっていたんですが、録音を聴いてみると、思いのほか、ずっと上でしゃべっていて。
顔や身体の動きが見えていれば、感情の強弱がわかるかもしれないけど、録音の音だけ聴くと、全部が一本調子に聴こえるんです。
それが、声帯の調子を崩したことによって、セーブするところをセーブして、でも張るところは張ってと、差を付けられるようになって。
「あ…、ここまで声を落とすと、上げた時との振り幅がすごく広がるんだ」
って、初めて気付くことができました。
この作品の直前に、声だけで伝えなければならない「朗読劇」を経験していたのも大きかったと思います。
演者の感情がどう動いているか、目をつむって聴いている人にもわかってもらうにはどうすればいいか。考えた経験が朗読劇とはまた違う舞台ではあったけど、繋がるものがあったな、と思いました。
--今までの役柄で、声が出づらくなったことはありましたか?
-
[最終回]宮澤佐江「ミラチャイ☆」連載ー9年間のラスト。あのとき想像した未来の答え合わせ、これからの自分
あのとき想像していた未来の答え合わせと、舞台に立つ佐江ちゃんが今、感じている矛盾。その矛盾に向き合って導き出した、これからの自分の在り方とは? そして「ミラチャイ」と交わした最後の約束。2013年から続いた「ミラチャイ」連載のフィナーレです!
-
[第59回]宮澤佐江、連載終了に向け9年間を振り返る「撮影では、より自然な私を」&ミュージカル『キングアーサー』出演決定で聞く【3】
連載9年間の最後の取材で、佐江ちゃんがお話してくれた内容を、今回と最終回となる次回でたっぷりお届けしていきます。今回はこれまでの撮影や、今楽しみにしていることについて。情報解禁となった『キングアーサー』に出演を決意したきっかけも聞きました!
-
[第58回]宮澤佐江、連載終了に向け9年間を振り返る「いくつもの壁。ぶつかり、気づいた大切なこと」【2】
2013年にスタートした「ミラチャイ」連載。今回は、佐江ちゃんが9年間の連載期間を通して“自分はここが成長したな”と、思うことを話してくれました。アイドル卒業後、まもなくして立ちはだかった壁を乗り越えながら、次第に気づいたとても大切なこととは?
-
[第57回]宮澤佐江、連載終了に向け9年間を振り返る「今につながる、人との出会いと仕事」【1】
ミラチャイ連載の9年間を振り返る1回目は、今に繋がるお仕事や、人との出会いに焦点をあてていきます。上海で活動できなかった時期を支えてくれた作品『クザリアーナの翼』や、地球ゴージャスさんへの思い。連載終了を発表した経緯についてもお話します。
-
[第56回]宮澤佐江、仕事・プライベートで訪れた旅での"出会い"と"出合い"(島根/小浜島 etc.)&「ミラチャイ☆」連載から大切なお知らせ
今回は、仕事やプライベートで訪れた旅のお話。昨年末に、お仕事で訪れた島根県。「初観戦ですっかりハマってしまった」という、Bリーグの素晴らしさを、自らもバスケ経験のある佐江ちゃんが、熱く語ってくれました。また、「ミラチャイ☆」連載から大切なお知らせがあります。