お互いの演技で好きなところ 「セクシーさ」「ナチュラルさ」

小野賢章、斉藤壮馬 撮影:友野雄

本作のアフレコはキャストが一堂に会してではなく、少人数となった。

小野はハサウェイと絡みの多いキャラクターを演じる上田麗奈(ギギ・アンダルシア)と諏訪部順一(ケネス・スレッグ)でアフレコを、斉藤は一人でアフレコを実施。

しかし、Ξガンダムとペーネロペーの戦闘シーンに関してはふたりでアフレコに臨んだという。

「壮馬くんは、すごく楽しそうにレーンを演じているな……という気持ちが強かったです。僕はハサウェイを相当悩んで苦しんでウジウジしながら演じていたので、羨ましいなと思いました(笑)。

壮馬くんはレーンにとてもピッタリだと感じましたね。すごく生き生きと伸び伸びと演じている印象を受けました」(小野)

小野の言葉に斉藤は笑みを浮かべながら、自身もオーディションを受けたという「ハサウェイの印象」そして「小野が演じたハサウェイの印象」を語った。

小野賢章 撮影:友野雄

「自分もハサウェイ役を受けていたのでハサウェイの視点で物語を見てみたのですが、すごく難しくて。文章で見れば受け手の想像力の世界で何となく補完できる言葉も、声という音だけで伝える作業は本当に大変なことだと思いました。

一緒にアフレコをした戦闘シーンではモビルスーツの中で大きい声出しているだけなので、よくよく見るとハサウェイとレーンが掛け合いしているところはほとんどないのですが(笑)、それでも賢章さん演じるハサウェイの声を聞いてしっくりきました。

賢章さんの芝居なのか、声なのか……すごく複雑な味がするんですよ。ハサウェイの闇を『俺は闇深いぜ』と分かりやすい芝居にしない。それがハサウェイにマッチしているのではないかと思いました」(斉藤)

笑顔で斉藤の言葉に耳を傾ける小野の姿が印象的だ。ふたりは数多くの作品で共演してきたこともあり、お互いの芝居について理解の深さが伺える。

斉藤壮馬 撮影:友野雄

そんな小野と斉藤から本作での共演を含めこれまで感じてきた「お互いの演技の好きなところ」を最後に聞いた。

「好きなところ……壮馬くんの声は聞いていてすごく気持ちがいい印象があります。セクシーだよね。とはいえ、今まで共演している作品がクセの強い役柄が多いんですよ(笑)。

だから、『閃光のハサウェイ』のレーンはいろんなことにとらわれずに、一番自分の勝負できる、演じることのできる役だったのかなと勝手に思っています。すごく真っすぐ演じられたキャラクターだったんじゃないかなという印象がありますね」(小野)

「賢章さんのナチュラルなお芝居が以前からすごく好きなんです。ナチュラルといってもいろいろあるのですが、僕らが生きている現代の日常的なナチュラルと、演じる作品世界の中のナチュラルはまた違います。作品世界の中でリアリティを失わないナチュラルさを感じさせられるお芝居を常にされている方だなと。

賢章さんの声って高音のウィスパーな成分もありながら、低音の倍音が響いている。声色が単一じゃないように聞こえて、それもすごく好きで。その声がナチュラルさを感じさせてくれるのかも。

『閃光のハサウェイ』のPVでハサウェイが『だったら教えてくれよ』と言っているのですが、ああいうところがまさに素敵だなと思いました」(斉藤)

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』 © 創通・サンライズ

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