AKBに入った頃には変わっていました。やっぱり中学の時に、いじめられてからかな。

いじめと言っても、“今思えば、いじめだったのかな?”というレベルのものでしたが、わかりやすく表現すると、やっぱり“いじめ”ですね。仲間はずれにされたり、無視されたり。知らないところで、悪口のメールが回っているとか。

それがいやで学校に行かない時期もありました。それで自分を変えようと思ったわけではないんですが、でもそこで、人との付き合い方を自分なりに考え直したんだと思います。

その後、AKBグループに入ることになって。

グループに入った当初は、そう…、結構、仕切り屋さんでした。リーダーというより、仕切り屋さん!

「こうしたら、こうなって、こうなるだろうな」とか、「こうするといいと思う」とか。発想力というか、人よりも、先の先まで考えるのが得意なのは、あの頃から今も変わっていない部分だと思います。

--連載の中でよく話しますが、佐江ちゃんは俯瞰的に物事を見る能力に長けていますよね。俯瞰的に見ることで、状況判断が早いから、グループの中で「こうするといいよ」と言うと、結果的に仕切っているように見えることもあるんでしょうか。

ムズムズ迷っている状況で、「じゃあ、こうすればいいよ」「あれして、これして」って、皆が円になった中心でしゃべっている姿が、グループに入った頃の映像に残っていて。今となっては恥ずかしくて、そういう姿は見たくないんですが…(笑)

今の私が出来上がったのは、この世界で、いろいろ見たり、経験したりした結果であって。

頑張れば頑張るほど上に行けるわけではないとか、人柄がどうとかではなく、その人が持っている運だとか、元々のルックスやポテンシャルが、どうしてもこの世界では勝ってしまう部分。そんな部分を、グループに入ってから見たり、経験したりして。

少しずつ謙虚になっていって、自分の自信のようなものが、良くも悪くも削ぎ落とされていった結果が、今の私なんだと思っています。

--なかなか話が深くなってきました。もう少しお聞きしたいので、続きはまた、次回の「ミラチャイ」連載でといたしましょうか。

そうですね。

--では今回も、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします!

ありがとうございました!

次回の更新は、2021/7/23(金)予定です。

撮影:山田大輔 スタイリング: 藤井エヴィ ヘア&メイク:伊藤遥香

1990年8月13日生まれ。東京都出身。O型。AKB48のメンバーとして活躍。2016年4月1日に旧チームK特別記念公演でグループを卒業。『王家の紋章』、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』、『TOKYO TRIBE』、ユーミン×帝劇vol.3『朝陽の中で微笑んで』、地球ゴージャス プロデュース公演 Vol.15『ZEROTOPIA』、『ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2』などに出演。連載から生まれた書籍「これさえあれば。」が発売中。Official

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