部屋に虫が出たら親に電話します

撮影:奥田耕平

――個人的には、主人公であるケイと弟のダイの兄弟の物語が胸に響くものがありました。

めちゃくちゃいいですよね。お兄ちゃんがちょっと意地悪しちゃうのもすごいわかりますし、弟がすごい素直で。本当にお兄ちゃんが好きなんだろうなというのがにじみ出ていて、僕も大好きです。

――この物語は、ケイが勇気に目覚めていく物語です。赤楚さんは勇気はある方ですか?

ものによりますけど、それこそお化けは昔は怖かったです。お化け屋敷が苦手で。友達を突き飛ばしてダッシュで逃げちゃうくらい本当に無理だったんですけど、それは3〜4年前に克服しまして。今はむしろ虫の方が怖いです。

――虫は確かに怖いです。

昆虫だらけの森の中での撮影のときとかは、ずっとビビってます(笑)。

©2021『妖怪大戦争 ガーディアンズ』

――もし家に虫が現れたら?

親に電話します。

――電話されても助けには行けません(笑)。

来られないですけど、ひとりで耐えきれないので。とりあえず「どうしたらいい?」って相談して、その怖さを共有します。で、結局どうもしてくれないから、自分で窓を開けるなり殺虫剤を買ってくるなりするんですけど…。

――じゃあ、たとえば大きな仕事や難しい仕事に直面して、何か決断しなければいけないとなったとき、勇気を出して飛び込むことはできますか?

そういうときはバンって飛び込んじゃいますね。結局なんとかなるんですよね、大抵のことは。もし何かあったとしても、何かあったときに改めて考えればいい。その前からビビっているのはもったいかなと思います。

――なんとかなると思えるのは昔からの性格? それともキャリアを重ねる中で生まれたものですか?

重ねる中で生まれたものですね。やっぱり最初の方はオーディションに落ちたらどうしようってビクビクしていたし。で、実際に落ちて、落ち込んでみたいな。でもそういうことを繰り返していく中で、だったら期待しなきゃいいんだと考えられるようになったというか。

まだ起きていないことをあれこれ期待するから慎重になる。そうじゃなくて、とりあえず先のことを考えずに今できることをぶっこもうという気持ちで入っていけるようになったのは、そこからですね。