私は逆に"ゆっくりしゃべらなきゃ"と意識をしていたこともあり、台本を見るために『下』を向いてしゃべるので『舌』の位置が下がってしまって余計にかみやすくなっていた気がしましたね。自分の舌が長いせいもあると思いますが、、。

本番では、稽古で演出家さんから言われていたことを頭に入れつつも、演じるのはやっぱり自分自身だからとオリジナリティ溢れた感じで、すごく集中して演じていたなと思っています。

--今回、佐江ちゃんが演じたのは「ネリー」と「アンリエット」という、怪盗ルパンにとって大切な存在の2人の女性でしたね。似た面影をもつ2人の女性の演じ分けは、難しくなかったですか?

私はあえて、2人の声に大きな特徴を作って、演じ分けなくてもいいのかなと思っていたんです。というのは、仮に2人の女性が、同じ時間に生きているなら、演じ分けが必要だけれど、2人のうちの1人は過去に生きていた女性で。

ルパンが恋をしてしまった女性「ネリー」は、ルパンの亡くなってしまったお母さん「アンリエット」に似ている。「アンリエット」は、今、ルパンの目の前にいる「ネリー」に似ている。

この2人の女性の「ひも付け」が、普通の演劇やミュージカルよりも、分かりやすい方が、聞いている人、観ている人に分かりやすいと思ったんです。演出家さんにも「2人の女性の色を変えて」と、言われていたわけではなかったので。

でも2人の女性は年齢が違うので、自分の中ではなんとなく、現実を生きているネリーは少し高めの声で、過去に生きていたアンリエットは少し低めの声でしゃべっていたつもりです。それが皆さんに伝わっていたかは分からないですが。。

今回は、共演者さんたちのすごさに感化されたという感じで演じていました。

--素朴な疑問ですが、朗読劇は舞台やミュージカルと違って、舞台上での動きも制限されていますよね。その中で、パフォーマンスする緊張感は、普通の舞台とはまた違うものなんでしょうか。

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