自分の中のコンプレックスのひとつに「声」が入っています。あまり好きじゃないんです、自分の声。歌声も、もちろんしゃべっているときの声も。しゃべったものを後で聞くのもあまり好きじゃない(笑)

--それは、仕事でもそうですか?

好きじゃないかなぁ。過去のものほどいやですね。アイドル時代のインタビューや、バラエティでしゃべっていたりするのも、自分の声を聞きたくないから映像も見たくなくて。

--デビュー当時の声と、今の声とではまた変化がありますよね。

デビュー当時の声は、のどに膜が張っている感じで声がこもって聞こえるんです。今はそんな感じはないんですが、いつ変わったか、タイミングはまったく分からないです。

アイドルのときは“笑顔で、笑いながらしゃべらなきゃいけない”っていう意識が強かったのか、口を閉じてしゃべることをしていなかったのかもしれないです。

当時、言われたことですごくショックだったことがあって。

「口を動かさなさすぎ」か、「口を閉じていなさすぎ」って言われたことがあったんです。どちらだったか忘れてしまったけれど、そう言われたことにすごく傷ついて、仕事現場から母に、泣きながら電話したのを覚えてます。

今思えば、自分では気づけないことを聞けてよかったと思うけれど、そのときはすごくショックでした。

--そんなことがあったんですね。

今も、声だけじゃなく、ルックスも、口元も、全部好きじゃないんですが…。でも、声はなんで好きじゃないんだろう?

(なぜ好きではないか考えてくれている、佐江ちゃん)

低いからかなぁ。

--低いというのはちょっと意外です。インタビューのときも、低いと言われれば、そうかな? と思いますが、舞台やミュージカルでは低いというより、むしろ高めなのかなと。

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