【TOPIC3】世界の美術館から名品が集結

『スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち』ディエゴ・ベラスケス《卵を料理する老婆》 1618年 油彩・カンヴァス 100.5×119.5cm ©Trustees of the National Galleries of Scotland

今年も世界各地の人気美術館から名作がやってくる。

『スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち』(東京都美術館:4/22〜7/3、神戸市立博物館:7/16~9/25、北九州市立美術館:10/4~11/20)は、イギリス北部の都市、エジンバラにあるスコットランド国立美術館が所蔵する珠玉のコレクションを公開。

ラファエロやベラスケス、エル・グレコから、ルノワールやモネ、ゴーガンまで西洋絵画史の流れを辿ることができる(モネ、ゴーガンは東京展のみ展示)。

ドイツ第4の都市・ケルンにあるルートヴィヒ美術館のコレクションを紹介する展覧会『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡─市民が創った珠玉のコレクション』(国立新美術館:6/29〜9/26、京都国立近代美術館:10/14〜2023/1/22)には、20世紀初頭から現代までのコレクションから152点が来日。

アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインなどをはじめとするポップ・アートのコレクションのほか、ロシア・アヴァンギャルド、ドイツの戦後美術の名品が展示される。さらに、世界で3本の指に入るピカソのコレクションからは《アーティチョークを持つ女》など8点の出展が予定されている。

再開館した国立西洋美術館でも、世界からやってくる美術品を鑑賞できる。

ドイツ・ベルリンにあるベルクグリューン美術館は、画商・ハインツ・ベルクグリューンの個人コレクションが礎となったもの。『ベルクグリューン・コレクション展』(10/8〜1/22)は、ピカソやクレー、マティスなど20世紀美術が充実した同館の珠玉作品が一堂に会する展覧会だ。

『ボストン美術館展 芸術×力』チラシビジュアル

さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年に中止となった『ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから)』(7/23〜10/2、東京都美術館)が、さまざまな混乱を乗り越えて待望の開幕。ボストン美術館が所蔵する古今東西の権力者に関わる作品を紹介していく。

エジプトのファラオから、ヨーロッパの王侯貴族、日本の天皇や大名など展示される作品のテーマはバラエティに富んだもの。そして、展示作品の半数以上が日本初公開となっている。

さらに、海を渡った二つの絵巻、《吉備大臣入唐絵巻》と《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》が待望の里帰り。いずれも「幻の国宝」とも呼ばれている傑作なので、チェックしておきたい。

【TOPIC4】現代美術の大スターも続々と個展を開催

『国立新美術館開館15周年記念 李禹煥』李禹煥、フランス、アングレームでの《Relatum - The Shadow of the Stars》設置作業、2021年 Photo©Lee Ufan

現代美術の巨匠たちの回顧展が開催されるのも2022年のトピックスのひとつ。

自然や人工の素材のありようをそのまま用いた作品で知られる「もの派」を代表する作家、李禹煥(リ・ウファン)。

『国立新美術館開館15周年記念 李禹煥』(8/10~11/7、国立新美術館、12月より兵庫県立美術館に巡回予定)は、初期作品から新作まで代表作を網羅するもので、東京では初の大規模な回顧展となる。

『ゲルハルト・リヒター展』メインビジュアル

絵画や写真、映像、インスタレーションなど多彩でダイナミックな作品で知られるゲルハルト・リヒターの大規模個展『ゲルハルト・リヒター展』(東京国立近代美術館:6/7〜10/2、豊田市美術館:10/15〜2023/1/29)も開催される。

2022年はリヒターが90歳を迎え、また画業60周年となる記念すべき年。作家が手元に残してきた作品群を中心に、彼の画業を振り返る。

『アンディ・ウォーホル・キョウト』キービジュアル

また、新型コロナウイルスの影響により、2020年に開催が予定され延期となっていた『アンディ・ウォーホル・キョウト』(9/17〜2023/2/12)が、京都市京セラ美術館新館「東山キューブ」にて開催される。

同展はアメリカ・ピッツバーグにあるアンディ・ウォーホル美術館の所蔵品で構成される展覧会。出品作品のうち半数以上が日本初公開作品となる期待の展覧会だ。

このほか、東京国立近代美術館では絵画や彫刻、デザインに絵本の制作などあらゆるジャンルの表現を精力的に発表するアーティスト、大竹伸朗の回顧展『大竹伸朗展(仮)』(11/1〜2023/2/5、このほか国内3館巡回予定)も開催される。