【TOPIC9】今年も芸術祭が目白押し

スケジュールの変更が相次いだ国内の芸術祭も、ようやく落ち着きを取り戻しつつある。

5回目となる「瀬戸内国際芸術祭2022」(4/14〜5/18、8/5〜9/4、9/29〜11/6、直島など12の島と高松港・宇野港周辺)は、4月から11月まで、それぞれ会期3期に分けて開催。

今回のテーマは「海の復権」。青木野枝や鴻池朋子、大竹伸朗らが新作を発表するほか、ウィム・デルボア、藤原史江、保科豊巳も初参加する。

愛知県で2019年まで開催されていた芸術祭「あいちトリエンナーレ」は、森美術館館長の片岡真実を芸術監督に迎え、「国際芸術祭あいち2022」(7/30〜10/10)として生まれ変わった。

テーマは「STILL ALIVE」。名古屋市の愛知芸術文化センターや、一宮市、常滑市、名古屋市有松地区など複数の会場で、国内外の80組程度のアーティスト及びグループが現代美術やパフォーミングアーツなどジャンルを横断した藝術を発表する。

また、神奈川県横須賀市では夜の無人島が会場の芸術祭「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021」(1/22〜3/6の金土日及び祝日と2/10、猿島一帯)が、京都では写真をテーマにした芸術祭「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022」(4/9〜5/8)が、また、愛媛県松山市では道後温泉を会場にした「道後オンセナート2022」(5月予定、道後温泉一帯)も開催される予定。

2022年も日本全国で芸術祭が楽しめそうだ。

【TOPIC10】20世紀スペインを代表する巨匠たちにも注目

『ミロ展―日本を夢みて』ジュアン・ミロ 《絵画(カタツムリ、女、花、星)》 1934年 油彩、キャンバス 国立ソフィア王妃芸術センター Photographic Archives Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofia, Madrid ©Successió Miró / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 E4304

ヒエロニムス・ボスにゴヤ、ベラスケス、エル・グレコなど偉大な芸術家を排出してきた藝術大国スペイン。このスペインで20世紀に活躍したミロ、そしてピカソの展覧会も開催される。

Bunkamura ザ・ミュージアムで開催される『ミロ展―日本を夢みて』(2/11〜4/17、愛知県美術館:4/29~7/3、富山県美術館:7月中旬~9月初旬)は、国内では20年ぶりとなるジュアン・ミロの回顧展。ピカソと並ぶ現代スペインの巨匠として知られるミロは、日本文化に深い造詣があったことが近年の研究で明らかになってきている。

この展覧会では、ミロと日本の関係や、批評家の瀧口修造との交流、日本の民芸品への親しみなど、これまで知られてこなかったミロと日本のつながりを紐解き、新しい視点でミロを見つめていく。

ポーラ美術館で開催される『歿後50年 ピカソ 青の時代を超えて』(9/17〜2023/1/15 、ひろしま美術館:2023/2/4~5/28)は、ポーラ美術館とひろしま美術館による共同企画展。

91年の生涯の間に画風をさまざまに変遷させてきたピカソが、どのようなプロセスで絵画制作を行ってきたのかについて迫っていく。初期の「青の時代」から、キュビスムの探求、円熟期から晩年に至るまで、彼はどのように「描く」ことを追求していったのかを、両館のコレクションをはじめ国内外の名品から紐解いていく。

上記でご紹介したもの以外にも、2022年は魅力的な展覧会が多数予定されている。中止が相次いだ20年、21年の分を取り戻すべく、22年はアートを思う存分楽しみましょう! 引き続き感染対策は万全に、また、事前予約の要不要については公式HPなどでご確認の上、お出かけ下さい。