--グループを卒業して、ひとりになって。さらにまったく新しい環境に飛び込んだ、心細さのようなものはありましたか?

そこはあんまり考えていなかったかな。その新しい世界を見たくて卒業しているから。周りにメンバーがいないから心細いとか、そういうことは感じていなかったけど。何というか、当時の悩みは人に話したところで解決できる悩みじゃなかったから。

歌が歌えない、歌うのが怖い。歌うのが下手すぎて、どうしたらいいのかわからない。

台詞の量も、当時の自分は“多い”と思っていたので、台詞の量が多すぎて覚えられないとか。“どうしたら覚えられるんだろう”って、頭も心もパンクしそうだったんだと思います。しそうというか…、パンクしたんです…、途中で…。

「ミラチャイ」の取材でヘコんでいたときは、パンクする寸前かな…。

“自分の口から、マイナスなことは発信しちゃいけないんだ”って、アイドル時代に思っていた話は前回しましたよね。(第57回)

『王家の紋章』初演のときは、アイドルは卒業していたけど “マイナスな気持ちは、隠していなきゃいけない”っていう、アイドル時代の無理がまだどこかにあったんですね。

私が48グループの現役メンバーだったときは “ほかのメンバーに、影響しないように発言しなきゃ”と今より強く感じて、ずっと気を張っていたところがあって。今もそう思っているし、仕事の姿勢としては、たぶんそれが正しい姿勢だと思うんです。

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