『鋼の錬金術師』の本質は人間ドラマ
子どものころから作品のファンだったという山田に、改めて『鋼の錬金術師』の魅力について聞いた。
「子どもが読んでもおもしろいんですけど、大人になって読むとまた違う面白さが生まれてくるんですよね。
子どもってやっぱりヒーローが好き。いろんなヒーローがこの作品の中にはいます。かっこいいし、アクションシーンもあるし、魔法みたいなこともたくさん起きているし、たぶん子どもはそういうところを楽しんでいるんだろうな、って。
でも、『鋼の錬金術師』の本質ってやっぱり人間ドラマなんですよね。ひとりひとりのキャラクターのバックグラウンドがちゃんと描かれているのがこの作品の魅力だと思うんです。
映画でも『復讐者スカー』ではイシュヴァール殲滅戦を色濃く描いています。それぞれにどんなことが起こって復讐者が生まれるのか、復讐に復讐を重ねても復讐が生まれるだけなんだ、というところを事細かに描いているところが、僕は大人の方にすごく刺さるんじゃないかというふうに思っています。
エンタメ作品ではあるけども、他人事では終わらない、考えさせられる映画になっているんじゃないかな、と思います」
撮影当時のことを思い出すかのように、時々、ふっと黙り込んだ場面もあった。『鋼の錬金術師』の世界を振り返り、エドと山田涼介を行き来している様子が時折感じられたように思う。“エド”として山田涼介が生きた証をぜひスクリーンで見届けてほしい。
映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカ―』は公開中。『最後の錬成』は6月24日より公開。