いっくんがやることで、圭介という役に奥行きが出た

左から山崎育三郎、窪田正孝 撮影/奥田耕平

――今回一緒にやってみて、改めてお互いのどんなところにリスペクトを感じましたか。

窪田 いっくんは役の説得力がピカイチですよね。役に色を与えてくれるというか、いろんなグラデーションを見せられる方だなという印象は朝ドラのときからずっとあって。今回もいっくんがやることで圭介という役に奥行きが出た気がします。

山崎 本当? ありがとう。

窪田 『ラジハ』って放射線技師である僕たちは何もできなくて。ドラマを進めていくのは患者さん側。僕たちは待ち構えて、来たものを対処するしかないんです。だからこそ、ゲストで来てくださった方に気持ちよくお芝居していただける環境をつくることが大事なんですけど、そういう意味でちょっとうるさすぎたのは減点かなと。やりづらかっただろうなあと思うので、それだけは本当に代表して謝ります(笑)。

山崎 大丈夫、大丈夫(笑)。

窪田 本当? 優しい。いっくんが来てくださったことによって、よりこの作品に色が出ました。

左から山崎育三郎、窪田正孝 撮影/奥田耕平

――山崎さんは窪田さんのどんなところがすごいと思いましたか。

山崎 マサは圧倒的な安心感がありますね。今、マサが言ったみたいに『エール』も『ラジハ』もずっと受けの芝居なんですよ。お芝居って受け身でいることの方がずっと難しくて。『エール』のときなんか、1年間、いろんな人が次から次に来るのをただひたすら受け続ける姿をずっと見てきた。簡単にやっているように見えるけど、なかなかできることじゃない。すごいなと思います。

窪田 ありがとうございます。

山崎 そんなマサがいてくれるから、こっちも安心してボールを投げられるんですよね。マサだったらどんな球を投げても全部受け止めてくれる。だから、次に共演するときはマサが思い切り場をかき乱して、ガンガン攻める役で一緒にやってみたいです。