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石田スイの超人気コミック『東京喰種 トーキョーグール』がアニメ化、舞台化を経て、ついに実写映画化。
人間と人間を喰う怪人“喰種(グール)”との戦いを描いた本作は、衝撃的な展開ではあるものの、そこで伝えられるのは毎日を当たり前のように生きている私たち=人間の心にグサリと突き刺さる強烈なメッセージだ。
とんでもない運命を受け入れる主人公の大学生・カネキに扮した窪田正孝が、これまでのキャリアの中でも群を抜く最高の芝居と圧倒的な存在感でそのことを浮き彫りに。
彼の言葉が、その全身全霊のパフォーマンスを力強く肯定する。
窪田が本作で演じた大学生のカネキは、ひょんなことから喰種のリゼ(蒼井優)の臓器を移植されて、半喰種になってしまう。
出演のオファーがあったときは「正直、悩みました」
そこから彼の中で苦悩と葛藤、戦いの日々が始まるのだが、窪田は「人間と喰種の双方の生き方、世界を唯一理解できるカネキは、表の顔と裏の顔を使い分ける人間を象徴しているような気がしました」と振り返る。
「誰でも口にしないだけで、頭の中で色々思ってたりするじゃないですか? その言葉にできないものを表面化した存在が喰種なのかなと思って。人間と喰種はどこか背中合わせのような気がします」
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そんな自分の考えをきちんと言葉にする窪田だが、出演のオファーがあったときは「正直、悩みました」と打ち明ける。
「コミックの実写化の作品に参加するのは初めてじゃなかったですから。身に余る光栄で、大きなチャンスをいただいたと思いましたが、断るという選択肢もあったと思います。
それだけに、原作の石田先生から『カネキは窪田で』というコメントをいただいたときは救われました。心強かったです。ただ、現場に入ってからが本当の勝負で、役者なんて最終的には孤独で、自分ひとりで戦うしかない。でも、やるしかないから、カメラが回ったときにどれだけいい芝居ができるのか、そこに意識を集中させていました。
ただ、いまでも不安だし、公開を控えたいまの方が不安は大きいです。自分も原作のコミックが大好きだから、“『東京喰種』が実写化されるんでしょ”“あの原作、大好き!”なんて話が聞こえてくると、耳を塞ぎたくなります。
自分がカネキを演じて本当によかったのかな?って、いまの方がビビッていますよ(笑)」
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それは、映画を撮り終わった俳優の誰もが感じるに違いない不安。だが、その不安も完成したばかりの映画を観た石田スイ氏の言葉で和らいだようだ。