専門家がすすめる「親のベストな対応」とは?

では、子どもが「学校に行きたくない」と言ってきたとき、親はどのようにコミュニケーションを取ればいいのでしょうか?ベストな対応を伺いました。

1.気持ちに寄り添う

子どもが「学校に行きたくない」と言ってきたときは、まずはその気持ちに寄り添ってあげることが大切です。

「何があったの?」と子どもに訊いて、子どもの話を聴いてあげましょう。子どもの気持ちを吐き出させてあげましょう。

そして、「辛かったんだね」「大変だったんだね」などと、否定せず気持ちに寄り添う言葉がけが大事です。

身近な家族が自分の気持ちを分かってくれていて、味方でいてくれているというのは、子どもにとってとても心強く、安心するものです。

大人である私たちも、本当に悩んでいて、それを人に打ち明けるときというのは、アドバイスや励ましがほしいからではないはず。悩み苦しんでいるときは、ただただ自分の気持ちを分かって、寄り添ってほしいですよね。大人も子どもも、それは同じなのです。

2.不登校に対する認識を見直す

不登校に関して、ネガティブなイメージを持つ親御さんは多いと思います。

しかし、不登校は絶対的に悪いものとは言えません。不登校は子どもにとって、『大きなストレスから身を守るためのひとつの方法』である場合も多いのです。不登校という形をとっていない場合、病気やうつ、自殺など、もっと最悪な別の形で表れることもあるかもしれません。つまり、学校を休むというのも、子どもを守るひとつの選択肢かもしれないのです。

また、文科省は平成28年に、「不登校を問題行動と判断してはならない」との見解を含む通知を出しています。

そして、不登校の子への支援は、「学校を休む子どもが悪いという根強い偏見を払拭することが重要」、また、「不登校の期間は休養や自分を見つめ直すなど積極的な意味を持つことがある」という見解も示しています。

不登校になる理由は子どもそれぞれで違い、対応策も違ってきます。ときには、子ども自身も気づいていない、思わぬストレスで不登校になっている場合もあります。不登校の解決には、親御さんの理解は絶対に必要です。その子に合わせたペースで、親子で足並みを揃えていくことが大切になります。

不登校に関してネガティブなイメージしかないのなら、その認識をちょっと変えて、いろんな事例などを知ることも、子どもを本当の意味で理解し不登校を解決する近道になります。

まとめ

今回お話をお伺いしたカウンセラー・桒原さんの勤める不登校支援センターのホームページでは、カウンセラーの方々のブログで、実際の不登校の事例や、ケース別の対応法が詳しく載せられています。

子どもが学校に行きたがらなくなった、子どもが不登校になって悩んでいるという場合は、ぜひご覧になってみてください。きっと有益な情報が得られるはずです。

【取材協力】桒原航大 くわばら こうだい
一般社団法人不登校支援センター理事。教育大学で発達臨床コース生徒指導総合分野を専攻し、道徳性の認知発達について学ぶ。
小学生から大学生まで様々な年齢の生徒へ向けた自立支援活動や、職員の研修・育成、また講演会などでも活躍。

一般社団法人 不登校支援センター ホームページカウンセラーブログ

3万人を超える人の悩みを解決するコーチ&カウンセラーとして活躍。 2010年、その経験を活かしてコミュニケーション心理スキルを紹介する、コミュニケーションライターとして独立。一般社団法人日本聴き方協会認定シニアインストラクター・認定シニアカウンセラー。 [ブログ]