胡椒餅は肉まんにあらず! ああ、勘違い
紙袋をはがすと胡椒餅が顔を出した。表面には白ごまがたっぷりついていて、窯に接していた裏面はところどころがこげていた。
かじる前に、半分に割ろうとしたのだが、指では割れなかった。
白ごまをまぶした皮のなかにはブロック状の豚肉と、大ぶりに切ったネギがつまっていた。
コショウと八角などで味付けをしているらしく、八角特有の香りが口のなかにあふれた。かなりスパイシー。しかもちょっと辛い。
肉は、豚バラではないようだ。ロース肉かもしれない。けっして脂身は多くなく、しっかりとした歯ごたえ。
豚バラ肉のひき肉で作る肉まんのようなジューシーさはないものの、肉のかたまりとネギのつるんとした食感があいまり、食べやすくてとてもうまい。
胡椒餅を肉まんだと勝手に思い込んでいた。確かに肉まんなら屋号を『台湾老劉包子』と謳っているはず。
肉まんは発酵させた生地に餡をつめ、セイロで蒸し上げるため、生地がふかふかでふわふわ。
ところが、タンドリー窯のような窯で焼く胡椒餅は、皮がサクサク。
かじった瞬間、パイ生地のような薄い皮が飛び散った。作り方こそおやきなのだが、パイ生地のようだった。
胡椒餅を包む紙袋になぜ金魚が描かれているの?
雪のなか、胡椒餅を2個食べたが、さすがに寒い。残りの2個を持って帰った。
気づかなかったが、胡椒餅を包む紙袋は2種類あった(本当はもっとあったりして)。
胡椒餅が描かれたものと、金魚が描かれた2種類だ。
金魚の紙袋を見ると、品種違いと思われる複数の金魚が描かれている。
友人で、金魚好きなカメラマンの松沢陽士さんに金魚の品種を教えてもらった。
「イラストなので確かなことは言えないけど」とした上で、左上から右に「和金」、「オランダ獅子頭」、「水泡眼」。中央は「リュウン」。下段左から「リュウキン」、「オランダ獅子頭」の可能性が高いそうだ。
胡椒餅を入れる紙袋になぜ金魚が描かれているのか。意味があるのかどうかまったくわからない。
もしかすると台湾老劉胡椒餅の社長が金魚好きなのかもしれない。可愛らしい金魚を見て和んでもらおうという配慮だったりして。