もし世に出ることがあれば楽しみにしていただきたい
――タカハタ秀太監督からはどんな演出がありましたか。
手取り足取りというよりは、まずは役者の芝居を見てくださる方でした。自分なりにセリフを言ってみて、その上で動きをこうしたほうがいいとか。
あと、二宮くんもそうなんですけど「よっ、俳優!」とかって、いじってこられるんです(笑)。
なにわ男子について調べてくださっていて、わちゃわちゃしているイメージが強かった分、お芝居をしている姿のギャップにツッコミを入れてくださったり。そのおかげで現場の雰囲気も明るくなって、いい感じで撮影に挑めました。
――藤原さんはアドリブ王と言われていたそうですが。
いやいや(笑)。監督がカットをなかなかかけないんです。例えば、台本上はセリフが1Pあったとして、そのあとは「皆さん自由にお話ししてください」というフリータイムがあるんです。
僕はそんなのは聞かされていなかったから、「あれ? これは……」と思いながらも、カットがかかるまで自然と続けていたら、そういう撮り方だと教えられて。なのでそれに合わせていろいろ頑張ってやっていたら、二宮くんがまたいじって「令和の喜劇王だ!」とかって言ってくださっただけなんです(笑)。
――本編に使われたアドリブで印象に残っているものはありますか。
台本上のセリフの5倍くらいの量を撮っていたので、僕自身、何をやっていたのかはっきり覚えていないんです(笑)。リハーサルと本番とでは二宮くんも「変えるんでしょう?」ってプレッシャーをかけてくるし、監督も「さっき言ってたあの部分をもう少し膨らませて」って指示をされたりもするのでもう必死でした。
結局、本編に使われなかった部分はどうなるだろう?と。それは(水島の友人・高木役の)桐谷健太さんもそこだけで「映画1本撮れたんじゃないか」っておっしゃっていたから、きっと各々にそういう使われていない部分があるんだろうと思います。
もしそれが世に出ることがあれば楽しみにしていただきたいですし、逆に出ることがなくても、僕らが楽しんだといういい思い出にはなりました(笑)。
――島田と水島が参加した飲み会のシーンでのエピソードを教えてください。
島田が場を回す役回りで、お酒も入っている状態でもあるので、皆さんに話を振りながらカットがかかるまでひたすら回しました。そこでは、僕が普段、なにわ男子のYouTubeでやっていることや、バラエティ番組で培った能力が活かせたと思います。
――完成作を観た感想は?
まずすごく素敵な作品に携わらせていただいたと思いましたし、その中で、いろいろな役者さんに混じって自分が演じていたことが、改めてゾクっとしました。「このラインナップに並んでるんや」って。
まだ1回しか観れていないので、「このシーン撮ったな」とか、「この日がクランクインだったな」「これが使われてんのや!」とか、そういう物語とは関係のない感想が出てきています(笑)。次に観る時は、作品のいちファンとして観たいと思います。
自分のお芝居に関しては観てくださった方に評価してもらうものだと思うので、自分から何かを言うことはないのですが、やっぱり緊張していた部分はあったなと。もっと場数を踏んで、慣れることが必要なのかなとは思いました。